40歳、離婚後に起業した元主婦の悪戦苦闘 2人の子を抱え倒産の危機も乗り越えてきた

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当時の稼ぎは基本給17万円に残業手当が少しつくくらい。子どもを2人抱えて、確かに豊かとは言えない状況だったかもしれない。

「でも、度重なる離婚調停で、女性調停員が『女性1人で子ども2人を育てるのは無理だ、生活苦だ、今は我慢だ』と毎度繰り返すので、プチッと切れてしまいまして(笑)。

『この調停が終わる頃には、主人の倍は稼いで、子どもも立派に育ててやる!』と言ってしまいました」

そうして離婚調停、前職場の労働裁判を同時進行させながら、起業した。

「もう訳がわからなくなるくらい忙しかったけれど、これらをやりきらないと未来がないと思ったんです。とにかくどれも必死でした」

労働裁判、会社の設立、離婚調停を同時にこなして

佐藤さんの起業は驚くほどのスピード感で進行していた。2012年4月に前会社を退職し、同年5月22日にはMAIZコーポレーションを設立。その間、たった1カ月ほどだ。

「私、働き始めてから尊敬できない上司ばかりで。こんなんだったら、自分で会社をやったほうがいいと思って。スカイツリー開業と同日の2012年5月22日に、前会社の先輩と2人で現会社を起業しました。当時私は34歳。アパートの一室で始めたんです」

そして現在の事業は、たった10カ月だったが、前会社で学んだことがすべて生かされている。

「前会社の太陽光オール電化事業は未経験からの入社でした。もともと施工管理や設計が私の経歴だったので、『施工部をつくりたいから立ち上げメンバーになってほしい』と言われて。そこから猛勉強をしたんです」

調査票や設計の見積書の作成など、経験のない資料作りを一から任されたため必死だった。子どもが小さかったので家ではあまり時間がとれなかったが、すき間時間で勉強。通勤の行き帰りの電車のなかでも調べものをし、暇があれば勉強にあてた。

「20代は現場監督や管理をしていて、電気の配線図などは書いていました。でも、7年も専業主婦をしていたので、まず、最近のパソコンに慣れなくて一苦労。USBとかも知らなかったし、浦島太郎みたいな気分でした。

ただ、仕事のコツをつかむのは得意だったこともあり、半年で仕事を覚え、7カ月頃には『いける』という確信がありました」

そうして会社の設立、労働裁判、離婚調停を同時進行。目が回るほど忙しい日々だった。

離婚は、会社設立4年目で成立した。離婚調停が長引き、当初の養育費は予定額を一度も払って貰ったことはない。

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