40歳、離婚後に起業した元主婦の悪戦苦闘 2人の子を抱え倒産の危機も乗り越えてきた

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それは、自分以外のシングルマザーにも言えることかもしれない、と佐藤さん。

「自分の周りにいないような全然違う人に会いに行くなど、自分から行動することがとても大事だと思います。環境に対して自虐するのではなく、どんどん行動したら、新しい世界が広がってくるかもしれません。

私はシングルマザーで建築の専門学校卒業。大した学歴もなかったけれど起業できました。時間がない、おカネがないは当たり前。女の人の力はすごい、母は強いんです。もっともっとシングルマザーが頑張っていけば、偏見もなくなると思います」

「子どもがいなければ、やってはこられなかった」

佐藤さんは「子どもがいなければ、ここまでやってはこられなかった」と話す。

「自分だけで食べていくだけなら独立はしなかったでしょうし、頑張れなかったかもしれないですね」

現在は長女とも長男ともよく会話し、仲良く暮らすことができている。それは、一緒にいる時間は限られているが、忙しい中でも手を繋いで歩いたり、添い寝したり、一緒にご飯食べたりと、佐藤さんが子どもとのスキンシップやコミュニケーションを欠かさないよう努力し続けた結果だ。

「今では子どもたちが『ママみたいになりたい』と言ってくれるんです。うれしいですね」

さらに佐藤さんは、2017年11月に贈花専門店「Grande Grace」を創設、2018年4月には電気工事会社の山一電設工業で専務に就任した。今後は、飲食業に興味があるため、飲食にも介入していきたいし、自社の太陽光発電所も各地にたくさん作りたいという夢を持っている。

「最近、持病の難病認定が打ち切りになり、児童手当も打ち切りになりました。一生懸命やればやるほど、税金は上がり、手当はなくなります。逆にもっと頑張らなければ」

最後に、佐藤さんには「独立後、守り続けている4つのマイルール」があるそうなので教えてもらった。それは、「とにかくやり続けること」「イヤだと思うことこそ積極的にやること」「素直になること」「ポジティブになること」だ。

「この4つのルールは、すべてをいい方向に回すための秘訣だと自分では考えています。そして、目的と期間を決めて行動する。稼いだおカネは自分の好きな人や自分と一緒に仕事をしたい、と言ってくれる人のために使う。今後は経営者も人格者でないと勝ち抜いていけないと思います」

斉藤 カオリ 女子ライフジャーナリスト、コラムニスト

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さいとう かおり / Kaori Saito

神奈川県出身、2000年桐朋学園芸術短期大学 演劇専攻卒。合同会社ジョアパルフェ代表。舞台女優、歯科衛生士の仕事を経てフリーライター・エディターに転身し、日経womanなど複数の女性誌や週刊誌、Webで執筆。その中で、働くママ向け媒体制作で出合った500人以上のシングルマザーの苦悩・本音に大きく心を揺さぶられ、現在も独自に取材を継続。『女性の自立と生きがい』を応援する事業も行う。3児の母でもある。
https://saito-kaori.com/

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