日本株が7月下旬にかけ下げにくくなる理由

メルカリ上場が終わって、相場はどうなる?

では、足元の需給はどうだろうか。東京株式市場における売買シェアは海外勢が6~7割を占め、個人は約2割にとどまる。東証1部売買代金が3兆円程度なら、個人の売買は6000億円ということだ。個人のその内訳は信用取引が金額ベースで6割を占める。なお、信用取引によって株式を新規建ち(買い建ちもしくは売り建ち)した投資家は、通常6ヵ月期日までに「現引き(現金で買い取る)」か「反対売買(売り決済)」する必要がある。

ここで改めて2018年の日経平均株価を振り返ると、1月23日に高値2万4124円をつけている。この高値圏で信用取引によって株式を買い建てた投資家は、7月下旬に「現引き」か「反対売買」をするべく期日が到来する。投資家心理としては、買いコスト(収支トントン)に近づけば、損失を最小限に抑えて手仕舞い売りをしたいところだろう。

信用買いをした個人投資家の売り決済が進んでいる?

足元(6月15日時点)ではその信用買い残が3.35兆円と、今年のピーク時よりも約3000億円減っている。これは信用の買い手が6ヵ月期日を手前に売り決済を進めており、すでに上値でのしこりがほぐれつつあるとの見方もできそうだ。一方、足元までの信用売り残は8530億円と、今年のボトム時よりも1200億円程度増えている。つまり、将来の戻り売り圧力である買い残が減少し、将来の買い戻し要因の売り残が増え、信用取引における取組みが改善しつつあるわけだ。

個別銘柄に目を移すと、新興国中心とした消費拡大を背景に、グローバルでも成長が期待できる一部の内需関連株が上場来高値を更新中だ。いずれも信用取引の買い残よりも売り残が多く、高値を更新するたびに売り手が買い戻しを迫られる、「踏み上げ相場」が散見される。

なお、マザーズ市場では個人の売買シェアが約7割を占め、ほとんどが現物取引だ(ごく一部の銘柄では信用取引が可能)。信用取引で空売りできない銘柄は、急落時に買い戻しも入らず、株価が乱高下しやすいことを認識しておきたい。しばらく、新興市場における高成長株の人気は続きそうだが、あまりに目先の値動きを追う投機売買は控えるべきだろう。

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