日本株が7月下旬にかけ下げにくくなる理由 メルカリ上場が終わって、相場はどうなる?

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再び市場全体に目を移すと、相場の過熱感を示す騰落レシオ(東証1部、25日平均)が徐々に低下してきた。これは、一定期間における東証1部の値上がり銘柄数を値下がり銘柄数で除して百分比で表した指標で、相場全体の買われ過ぎや売られ過ぎを推し量る。目安として120~140%以上を天井圏、70%前後を底値圏とみなす。特に重要なのは、騰落レシオは底値圏での信頼性が高いことだ。過去の日経平均株価と騰落レシオをみても、ボトムのタイミングに若干のズレはあるものの、その後の株価は上昇していることが少なくない。

6月19日の日経平均が401円安と大幅続落したことで、騰落レシオは一時81%台まで低下した。20日は大幅に反発したが、なお84%前後にとどまっており、仮に調整してもここからの下値は限定的との見方もできそうだ。

なお、日経平均採用225銘柄のうち、1月高値をつけた銘柄は約6割(140銘柄超)を占める。それゆえ、今後信用取引における6ヵ月期日が明ければ、戻り売り圧力も徐々に和らいで来る可能性がある。

また、7月中旬からは国内企業の決算発表も始まり、高い技術力と収益力を背景にした好業績銘柄の「見直し買い」も想定される。確かに足元は値動きの冴えない大型株も目立つものの、少なくとも騰落レシオや信用取引からみた需給状況からは、日本株の先行きに対してさほど悲観的になる必要はないのかもしれない。夏に向けて相場格言で言う「人の行く裏に道あり花の山」となることを期待している。

最後に今後の日経平均株価のテクニカル上の重要な価格をあげておこう。
(6月20日時点)
2万4124円 2018年1月高値(年初来プラス5.9%)
2万3098円 週足のマド(2018年2月)
2万3002円 2018年5月高値
2万2764円 2017年末値
2万2565円 6月20日終値
2万2618円 25日線(短期線)
2万2085円 75日線(中期線)
2万1991円 200日線(長期線)
2万1801円 半値押し(3月安値2万0617円から5月高値2万3002円の上げ幅対比)
2万0617円 2018年3月安値(年初来マイナス9.4%)

中村 克彦 みずほ証券 シニアテクニカルアナリスト

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なかむら かつひこ / Katsuhiko Nakamura

IFTA国際検定テクニカルアナリスト(MFTA)、日本テクニカルアナリスト協会(NTAA)評議員。

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