加計氏「首相との関係、学部新設に影響ない」 岡山の学園本部で理事長本人が記者会見
[東京 19日 ロイター] - 学校法人「加計学園」の加計孝太郎理事長は19日、岡山市の学園本部で会見し、愛媛県今治市の獣医学部新設をめぐり、愛媛県に虚偽の説明をしていたことに対し、担当者が不適切な対応をし、深くおわびすると述べた。
加計理事長は、虚偽の説明をしたことで愛媛県や今治市、関係者に多大の迷惑をかけ、「深くおわびしたい」と語った。そのうえで担当者が重大なコンプライアンス違反を犯したと認定し、19日の緊急理事会で、誤った情報を伝えた同学園の事務局長を減給10%・6カ月間の処分にすることを決めたとした。
さらに加計理事長自身も最終的な責任があるとして、給与の10%分を12カ月間にわたって自主返納すると述べた。
また、誤った情報を伝えた事務局長に対し、同学園の担当者がその理由を聞いたところ、「事を前に進めようとして言ったとの報告を受けた」ことを明らかにした。
さらに誤った情報を伝えるよう、加計理事長から指示はしなかったのかとの質問に対しては「はい、そうです」と答えた。
加計理事長は安倍晋三首相と長年の友人であり、そのことが獣医学部新設に影響を与えなかったのかとの質問には「そういうことはない」と語った。
さらに安倍首相との会食やゴルフなどで、獣医学部新設に関する話は出なかったのかとの質問には「何十年の友だが、基本的に仕事のことは話すのはやめようと(決めていた)。こちらの話はしないし、獣医学部の話はしていない」と述べた。
愛媛県が国会に提出した文書では、安倍首相が加計理事長と2015年2月に面会し、学部新設に関して説明を受けたとされていた。また、「総理の意向」「官邸の最高レベルが言っている」などの表現が、愛媛県の文書に入っていたことも明らかになっていた。
この日の会見で、加計理事長は安倍首相と2015年2月に会っていないのかとの質問に対し、「記憶にないし、記録にもない」と答えた。
国会への招致を野党側が求めていることに対しては「私が決めることではない。(国会での結論を)お待ちしている」と述べた。
(田巻一彦)
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