営業メールを無視される人とされない人の差

迷いのない文章ほど相手に読んでもらえる

次に苦労なく書くという点ですが、文章作りで悩むのは、よいことばかりを書こうとするからです。あれもよい、これもよいというのは、取り立ててよいところがないといっているのと変わりありません。それならば、わが社の理念、方針に基づいてわが社のよさを語るほうが、読み手の受け取り方も変わってきます。

迷いがある文章は「ネガティブ」に見える

顧客に新製品の案内を送るとき、その案内文を書く人の本音にあるのは「ぜひ買ってください!」でしょう。製品のよい点ばかりを連呼するのは、それゆえです。しかし、そうした下心は文章を読む人に何となく伝わってしまいます。これでは共感が得られません。

伝わってほしいのはよい製品であるということなのですが、力んで商品のよさをアピールすればするほど、それがかえって仇(あだ)になるのが文章というものです。伝わってほしいことは伝わらず、伝わらなくてよいことばかりが伝わる。コミュニケーションというものは、往々にしてそうですね。

下心が見透かされてしまう理由は、ひとつには書く人に迷いがあって、自信と確信を持って言いたいことが言えていないからです。企業経営では、迷ったときには理念に還れといいます。理念や方針は企業の原点ですから、新製品をアピールするときの文章にも、会社の理念や方針が伝われば十分にその根拠になり得るはずです。

たとえばこんな具合です。新製品が、従来品よりも製品寿命が延びたことを顧客に知らせる文書をつくったとします。普通の案内文書ではこうなります。

例文A
<前段部分は省略>
「製品の心臓部に新素材を導入することによって、従来品よりも30%製品寿命を延ばすことができました。この結果、コストパフォーマンスが上がり、メンテナンスの手間も減りました。いますぐお買い替えいただくことによって、お客さまの生産性向上に大きく貢献できるものと存じます。」

基本的にお客さまのメリットを第一に考える姿勢はうかがえますが、おそらくどの会社でもこの姿勢が基本でしょう。したがって、よくある文面にしかなりません。

一方、もし理念に「環境保護」を謳っている会社であるならば、すこしアピールポイントが異なります。下記がその一例です。

例文B
<前段部分は省略>
「製品の心臓部に新素材を導入することによって、従来品に比べ原材料段階から生産段階までの環境負荷が50%減少、製品使用時のエネルギーコストは10%減少、製品寿命を30%延ばすことができました。この結果、新製品はお客さまの生産性向上とともに、わが社の理念でもある『環境保護』にも大きく貢献できるものと確信しております。」
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