貧困の子を救う「子ども食堂」が抱える課題 安心・安全な場所にするために必要なこと
堀:こども食堂のような仕組みに対しての保険というのは、もともとあるものですか?
湯浅:はい。「イベント用保険」や「行事用保険」と呼ばれるものです。1人28円の保険料で、転んでケガしたり、あるいは、万が一食中毒になることがあっても、その保険料ですべてカバーすることができます。もし参加する人が誰かわかっていれば、行き帰りの交通事故にも対応できる保険もあります。しかし、残念ながら場所によってはまだ保険に入っていないこども食堂があるということで、その部分をきちんとしていこうと。
堀:今回のクラウドファンディングでは、各こども食堂が自分たちで負担することなく保険に加入できる、最初の費用手当を賄おうというものなんですよね。
湯浅:はい。3年分の保険料を賄うものです。正直、1人28円という頭数で計算するので、開催する頻度が多かったり、参加する子どもたちの人数が多かったりするところは、われわれが今回集める額では全額は賄えません。相変わらず持ち出しは続いてしまうところもありますが、それでもこうしてみんなに応援してもらい、3年の間にもっと「安心できる場所だ」という認知が広まれば、たとえば参加する子どもが増える、ボランティアさんも増える、場合によっては寄付も増えるかもしれない。場合によっては、お寺さんが「そういうことならうちの本堂を使っていいよ」と言ってくださるなど、場所を提供してくれる人が増えるかもしれない。そういう風に運営基盤が強化していけば、4年目以降は自分で回せるようになる、ということをイメージしています。
堀:クラウドファンディングでの寄付集めを始めてみて、具体的にどういう声が印象に残っていますか?