貧困の子を救う「子ども食堂」が抱える課題 安心・安全な場所にするために必要なこと
安心感を育てる基盤強化のためこども食堂の保険加入を
堀:今回、こども食堂での保険の加入をすすめていこうとクラウドファンディングを行っていますね。必要性を感じた理由を教えてください。
湯浅:こども食堂を安心・安全な場にして、かつ、そういう場所として認知してもらうという両方の目的があります。こども食堂はいろんな人たちが自発的に立ち上げた場所なので、すごくしっかりやっているところもあるのですが、残念ながら保険にまで手が回っていないところも現実にある。そういう中で、底上げをして全体をしっかりとさせていく必要があります。
また、こども食堂のイメージが、「地域のおばちゃんが何かのきっかけで始めたので、安全面がきちんとしていないのではないか」と思われてしまっていることがあります。子どもたちがこども食堂の情報を知るきっかけは、親御さんが話してくれたり、地域の大人が話題にしてくれたりということなのですが、その大人たちの会話の中で「あそこ大丈夫なのか?」と誰かが言うと、「確かに心配だね」と話が止まってしまう。そうなると話題にならないので、結果的に子どもに情報が伝わらない。子どもたちがアクセスできるようにするには、「こども食堂は安心・安全な場所らしいね、大丈夫みたいだね」という雰囲気を広めることが必要です。そういう意味で、保険の問題は大事だねということになりました。