会話がヘタな人がこだわるプライドの弊害 どんな相手にも確実にウケる2つの鉄板ネタ

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なんだか格言みたいになってしまいましたが、こんふうに失敗談を述べると、一気に場が和みます。

「カミングアウト」が雑談力を高める

「自分の欠点」も相手の共感を生む話題です。

「かたづけるのが苦手なんです」「私は料理がまったくダメです」といったカミングアウトをすると、お互いの間にあった壁がなくなって打ち解けていきます。

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ついでに私の欠点を言うと、ついつい時間ギリギリに行動してしまうこと。さすがに講演会場に遅刻して行くことはないのですが、よく5分前とかに到着して、関係者を必要以上にヒヤヒヤさせることがあります。

その日の講演のテーマがしっかりアタマの中に入っていますし、ギリギリに会場入りしたとしてもなんの問題もないはずですが、世間では30分とか1時間前とか、かなり早めに入る人のほうが多いようです。そのためか、私がギリギリまで会場に到着しないと「事故に巻き込まれてしまったのではないかと心配しましたよ」と、青い顔をして待っている人にたくさん出くわします。

別に私が時間にルーズとか、どこかで道草しているということではなくて、前の予定が伸びたり、移動中に仕事をしたりして、つい時間ギリギリに会場入りすることが多くなってしまうだけです。それでも心配している人がたくさんいるので、なるべく早く会場入りしたいと思っているのですが、こればかりはなかなかうまくかないようです。

相手に共感してもらうのに、特別なことを話す必要はありません。自分の中にあることを包み隠さずカミングアウトするだけ。それだけで雑談力が磨かれます。

茂木 健一郎 脳科学者

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もぎ けんいちろう / Kenichiro Mogi

1962年東京生まれ。東京大学理学部、法学部卒業後、同大学大学院理学系研究科物理学専攻課程修了。理学博士。理化学研究所、ケンブリッジ大学を経て現職。「クオリア」(感覚の持つ質感)をキーワードとして脳と心の関係を研究するとともに、文藝評論、美術評論などにも取り組む。2006年1月~2010年3月、NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」キャスター。『脳と仮想』(小林秀雄賞)、『今、ここからすべての場所へ』(桑原武夫学芸賞)、『脳とクオリア』など著書多数。

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