会話がヘタな人がこだわるプライドの弊害 どんな相手にも確実にウケる2つの鉄板ネタ

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私の見る限り、雑談力の高い人は共通してあることをしています。それは、相手に共感してもらうこと。雑談が上手な人たちは、「自分がしたい話」をするのではなく、「相手が興味を持ちそうな話」を選んでいます。会う人ごとに「この人はこんな話が好きそうだ」「あの人はこういう話なら興味を示してくれるかも」とネタを選んでいきます。その人が共感しそうなネタを提供するから、会話も弾みます。相手も「この人といると楽しい」「この人にまた会いたい」と思って、「何か一緒にやりましょう」「ぜひ仕事をご一緒しましょう」と関係性が発展していきます。雑談を通じて、仕事を取ってくる。雑談力の高い人には、総じてそういう傾向があります。

確実に相手を喜ばせる「鉄板ネタ」

では、雑談が苦手な人は、どんなネタを提供すればいいのでしょうか。ここでどんな人でも喜ぶ雑談のネタを2つご紹介しましょう。

1つは、自分の「失敗」です。

「せっかくダイエットしたのに、『やせたから、ちょっとくらい食べてもいいか』と油断したら、リバウンドしてしまいましたよ」

失敗話をすれば、相手も「私もそうでした」とカミングアウトしてくれるかもしれません。「何かいい方法はないですかね?」と話を進めていけば、失敗した同士で共感の輪が生まれます。それだけで人間関係の距離がグーンと縮まります。

私も人によく「お昼ご飯を二度も食べた」話をします。あるとき午後1時という微妙な時間に打ち合わせが入っていたこともあって、ちょっとお腹も空いていたので、12時ごろに一人で先に食事を済ませてから、指定の場所に向かいました。打ち合わせ場所に着いたときに気がついたのですが、そこは「カレーがおいしい」と評判の店。

打ち合わせをする相手は、メニューを手にして、「ここはカレーがおいしいんですよ」と、ニコニコしながら言うではありませんか。彼は私がカレーを好きなことを知っていて、この店を打ち合わせ場所に選んだようです。私がカレーを食べなければ、この人もガマンして食べようとしないはず。空きっ腹でコーヒーを飲みながら、数時間打ち合わせするのも残酷です。

相手のニコニコした表情を見ながら、私は「一緒にカレーを食べましょう」と、力強く言いました。先ほどお昼を済ませたことなど、おくびにも出さずに……。男には、お昼ご飯を二度食べなければならないときもある――。

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