中古マンション選びは「管理」の質で決めよう 組合の内部資料は「開示」を義務化するべきだ

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まずは「見た目」から考えてみよう。中古マンションを見学する際には、つい部屋自体に関心が行きがちだ。しかし、いきなり室内を見ることを焦るのはよくない。何よりも先に、「共用部」を注意深く観察してみるべきだ。たとえば、外壁はいい目安になる。昨今のマンションはタイル張りが主流だが、ざっと見渡してみて、タイルがはがれているところ、あるいは浮いているようなところはないだろうか。タイルは落下すればたちまち凶器となりうるうえ、このような状況を放置していれば躯体そのものが長持ちしない。

これは、廊下や階段の状態についても同じことがいえる。経年によって徐々に劣化していくのは建物の宿命だ。しかし、一定の幅や深さがあるひび割れや、一定量以上の白いカルシウム成分が浮き出てくる白華現象、コンクリート内部の鉄筋が水に触れたことで錆び汁がしみだしてくる現象などを長らく放置しておくと、建物内部を傷めることになる。マンション管理組合がこうした問題を把握しているかを確認し、わかっているのであればどのような対処を行う予定があるかを聞いてみよう。これは、不動産仲介担当に確認してもいいし、現地に管理人がいれば、直接尋ねてみてもいいだろう。

細かいところもチェックする価値がある

エントランスまわりの清掃状態や、ポストまわりの整理整頓具合など、細かいところもチェックする価値がある。掲示板に数カ月も前の古い情報が貼られていたり、貼ったものが破れている、整えて貼られていないといった事実からは、組合運営の質を推し量ることができる。

こうしたところが雑然としているのは、直接的には管理員の仕事が行き届いていないからだ。しかし、背後にはそれを容認している管理組合の存在がある。マンション管理について、その程度の関心しかないということだ。

また、管理組合運営の内実をきちんと確認することも重要だ。管理組合の総会や理事会の「議事録」は、これまで管理組合がどのように活動し、考えてきたかを把握することができ、そのマンションで繰り広げられている問題が明らかになる。たとえば、どの程度の管理費・修繕積立金滞納があり、それに対してどのような対応をしているか。駐車場や駐輪場、ごみ置き場、廊下、そして先に述べた外壁など共用部の使い方や、コンディションに何か課題があるのか。今後の修繕計画はどのようになっているかなど、マンションのさまざまな事情が記載されているはずだ。

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