新幹線「乗客の手荷物チェック」は現実的か

海外高速鉄道「手荷物検査」の実態とは?

中国最大の都市・上海では、なんと地下鉄の乗客全員の所持品もすべてスキャンチェックを行っているのだから驚きだ。「上海軌道交通」と呼ばれる鉄道網は総延長が600kmを上回る世界最長のネットワークを誇っており、1日の利用者数は1200万人に達するとの統計もある。

上海では2010年に万博(エキスポ)が開かれたが、そのころには全駅での所持品のスキャンチェックを実施。万博が終わって8年にもなる今でも各駅では日々検査を行っている。

上海では地下鉄乗車客も所持品検査を受ける。スーツケースを機械に通すのは手間だ(筆者撮影)

高速鉄道と異なり、地下鉄は一般市民が頻繁に利用する足だ。さすがに日々、毎回チェックを受けるのは面倒とばかり、所持品を極端に減らし、スマートフォンだけ持って外出する人も多い。

よく知られているように、中国ではスマートフォンを使ったネット決済が広範に使われている。コンビニやスーパーでの買い物はもとより、交通機関の乗車も現地のSNSやスマホ決済で利用できることから、「日々の外出はスマホと家の鍵のみ!」という人も少なからずいるようだ。

ラッシュ時は大丈夫なのか

心配なのは、「そんなチェックを通勤ラッシュ時に行うと大混乱が起こるのではないか」ということだ。ところが、人々は前述のように極力持ち物を減らして通勤しており(ポシェット程度の小さなバッグならチェックしない、という現実もある)、不思議なことにセキュリティチェックに起因する混乱をそれほど感じない。

一方、上海での生活歴が長い日本人女性は「どうも上海地下鉄のスタッフはきちんとチェックをしていないのでは?」という疑念を口にする。「たまたまバッグの中にヘアスプレーを入れていたんですが、北京の地下鉄に乗ったら『中を見せろ!』と細かくチェックされました。ところが上海では同じバッグを持っていたのにまったくスルー。どうなっているんでしょうね?」と笑う。

本当に念入りにチェックしていたのでは、大量の乗客が押し寄せるラッシュ時に対応しきれないという実情もありそうだ。

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