半導体、「微細化」止まり、材料屋が儲かるワケ サムスン、東芝が動き出す「物量作戦」の裏側

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その結果、SUMCOの業績もうなぎのぼりだ。2017年12月期の売上高は前年比23.3%増の2606億円、営業利益は420億円と前年の140億円からで約3倍で着地。2018年1~3月期(第1四半期)も売上高は前年同期比28%増、営業利益は143%増と順調に滑り出している。

SUMCOが増産に慎重なワケ

一部の半導体メーカーからは「ウエハの調達が懸念材料になっている」という声も聞こえる。SUMCOも2017年8月に10年ぶりの増産を発表。300ミリメートルウエハの設備を増強し、2019年をめどに月産11万枚を増産するが、半導体メーカーの求める量には到底及ばない。

足元の世界ウエハ出荷枚数は月580万枚程度と言われている。増産分を加味しても600万枚程度にしかならない。一方、SUMCOの顧客予想を合計したデータでは2020年には月760万枚のウエハが必要になる。増産をするとはいえ、慎重なことに変わりはない。

SUMCOが増産投資に慎重なのは2008年に大規模投資に踏み切った結果、ウエハの需給が緩んで、大幅な価格の下落を招いた経験があるからだ。「過去の過ちを繰り返さないよう、今後も逐次増産で対応していく」(会社側)という。

調査会社IHSマークイットの南川明主席アナリストは「メモリの微細化は、NANDはすでに限界を迎えており、DRAMも15ナノメートル前後で限界を迎えるだろう」としており、「今はまだ見えていないが、3次元化のような全く新しい方向を探す必要がある」(同)と語る。

微細化が限界を迎える中、さらなる物量作戦が続くのか、新たな微細化の道を見つけるのか。製造装置メーカーや材料メーカーは半導体メーカーの動向を注視している。

藤原 宏成 東洋経済 記者

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ふじわら ひろなる / Hironaru Fujiwara

1994年生まれ、静岡県浜松市出身。2017年、早稲田大学商学部卒、東洋経済新報社入社。学生時代は、ゼミで金融、サークルで広告を研究。銀行など金融業界を担当。

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