残念ながらプロトタイプの試乗会場では、そのコネクティッドについては概要であっても時期尚早とのことで伺えなかったが、これまでトヨタが行ってきた通信技術、たとえば「ITSコネクト」などの例を考えると、これまでの車々間/路車間通信技術やサーバーからの情報提供だけではなく、車両からのアップリンクによって、ユーザーが欲しいと思う情報を最適なタイミングで提供されるのでは、と推察できる。
これにより2012年、先代「プリウスPHV」の一般販売時にトヨタが提唱していた、車両状況をディーラーとクラウド上で共有し、無駄のない車両整備が行えるようになる。
デザインと走行性能を見ていこう。デザインはご覧のとおり、ここ5年ほどトヨタデザインのアイコンとして使われているグリル面積を大きく採った「キーンルック」を主体としながら、現行4代目「プリウス」から部分的に採用始めた新しい車づくりの手法「TNGA」をフルに採用したことで、低く、そして幅広い伸びやかなボディデザインを実現している。
また、地面をしっかりとつかんでいる印象を強めるため、タイヤの収まる4つのホイールハウスとタイヤ(16インチと18インチを設定)とのすき間を極力を減らしている。これによりTNGAによる低重心化を視覚のうえでも強調することができた。
「派手だ」「カローラには似合わない」!?
ボディカラーでは定番である「白、黒、シルバー」以外に、オキサイドブロンズメタリック(茶色)と、スカーレットメタリック(オレンジ色)の新色2種のほか、鮮烈かつ上品なシアンメタリック(水色)など、全8色を展開。筆者のおすすめはシアンメタリックだ。
ワイドで力強く張りのある新型のデザインとの相性がいいし、所有欲をかきたてられる。デザインを担当した技術者によると「シアンメタリックの導入を積極的に進めていたのですが周囲からは『派手だ』『カローラには似合わない』との批判的な声もあった」という。しかし、周囲を説得しこうして採用にまで至った。そのかいはあったと思う。こちらはぜひ、現車をディーラーでご確認いただきたい。
走行性能はTNGAの進化により大きく質を向上させた。直近のコンパクトサイズにおけるTNGA車両であるSUV「C-HR」と比べて、段差を越えた際の剛性やステアリングを戻す際の確かさを向上させるためステアリングの剛性がアップ。新開発ダンパーによる“踏ん張る足”としなやかさを両立するとともに、新開発の6速マニュアルトランスミッション「iMT」を採用し、静粛性も向上した。
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