メールで忙しい人に教えたい「読まない勇気」 森川亮「返事を書くのは大体10秒以内」

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・メール処理を「読む」「考える」「書く」に分解する

メールの処理で時間が取られる方に多く見られるのは、メールを読み、返事を考え、書くという一連の行為を、ひと固まりとして処理しているケースだと思います。私は仕事をジョブとタスクに分けで考えるようにしていますが、メール処理を「読むタスク」「考えるジョブ」「返信するタスク」という3つに分解すると、処理速度は確実に上がります。

先ほど私はメールの処理を基本的に移動中にすると書きましたが、それは歩きながらでも「読むタスク」と「考えるジョブ」がこなせるからです。そこで返信すべきメールの選定と回答を考えておいて、会社に戻ったあとに「返信するタスク」の時間を設けて、一気に返信するようにしています。

特に意識したいのが、考える時間と返事を書く時間を一緒にしないことです。その場で即答できるならいいでしょうが、返事に悩むなと思ったら、一旦返事を書く行為を忘れて、結論を考える時間を作ったほうが効率的です。それをしないとメーラーを開いて、ああでもない、こうでもないと考えながら、書いては消してを繰り返すことになり、時間のムダを生みやすくなります。

返事を書くときはだいたい10秒以内

・できるだけ簡潔に書く

メールが長い人は、どのようなメールを書いてもいつも長いものです(こういう人はチャットでも長文を書いてきます……)。

メールが長くなる人は2種類いて「話をうまく整理できない人」か「極端に丁寧な人」。

前者の場合は「相手がメールを開いてから3秒以内に結論が伝わるか」と意識してみてはどうでしょうか。イエスかノーを伝えるのに15分くらいかけて長々とメールを書く必要はありません。否が応にもメールを書く時間もメール自体も短かくなるはずです。

私は返事を書くときはだいたい10秒以内(分ではなく秒です)。結論だけ書いて送る感じで、それこそLINEでスタンプをポンと送るようなイメージです。場合によってはスタンプを返すだけでも、仕事が進むことだってあるわけです。

後者の丁寧なメールについては相手がマナーを重んじる高齢者だったら仕方がないですが、少なくとも40代くらいまでのビジネスパーソン同士だったら、過度に丁寧なメールを書く行為はむしろ「仕事が遅い人」「昭和の感覚の人」というマイナスイメージを持たれることもあります(ちなみに、LINEやフェイスブックのメッセンジャーで送るのは失礼だと思っているような人も、仕事が遅いイメージがあります)。

それくらい省略文化が浸透したと感じています。丁寧さを重視するくらいなら、いかに速く簡潔に返信するかを意識したほうがいいかもしれません。

ちなみに断るときは、スタンプが便利です。メールだと印象を悪くしないように長文が必要になるかもしれませんが、スタンプなら簡単に「角」がとれるからです。また、メールでもLINEでも、断るときはできるだけ早く返事をするのがマナー。これは謝罪するときも同じです。

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