メールで忙しい人に教えたい「読まない勇気」 森川亮「返事を書くのは大体10秒以内」

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・シェア数が多い記事を読む

見出しレベルで少し興味を引いた記事があると、中身は読まずにどんどんツイッターでシェアをします。そして仕事を終えて家に帰る途中に、そのシェア数などをチェックして、反応がいいものだけを読むようにしています。

シェア数が多いということは世の中的に価値のある情報、もしくは一般の人が求めている情報であるわけですから、読む価値はあるだろうという考えからです。特に私はデジタルメディアに携わっているので、「どういうコンテンツが共感されやすいか」という感覚は常に磨く必要があるのです。

情報の取捨選択という意味でも、また時代にキャッチアップするという意味でも、このやり方が最も効率的だと思っています。

・他人のタイムラインは見なくていい

ちなみに他人のタイムラインはあまり見ません。そこに氾濫しているのは2次情報、3次情報がほとんどなので、起業家的な視点でいうと1年前の新聞を読んでいるような感覚で、あまり価値を感じないのです。

普通のビジネスパーソンの方が、自分が尊敬する人をフォローして、その人がシェアをする情報をチェックするというフィルタリングの仕方はアリだと思いますが(私のようにフォロワーをフィルター代わりに利用する人だとダメですが……)、知りたいテーマが決まっているなら、グーグルアラートでキーワードを登録して最新ニュースが自動的に集まるようにしておくほうが、はるかに時間効率がいいと思います。

あえてパソコンを離れてみる

・「パソコンありき」の発想を捨てる

現代のビジネスパーソンにとってパソコンは不可欠なツールではありますが、私はむしろパソコンがあることで仕事が遅くなっている人も多いのではと思っています。

普通のホワイトカラーの人が1日の間に何に時間を使ったかを厳密に計測できるとしたら、メールをチェックしている時間や目的意識もなくインターネットをブラウズしている時間、もしくはチャットアプリのやりとりだけで数時間費やしている人がザラにいる気がします。

でもおそらく本人はサボっている感覚はないでしょう。なぜならパソコンの前に座っていると仕事をしているような気分になりやすいからです。何度も言いますが、仕事はアウトプットが出てはじめて仕事です。パソコンの前に定時まで座っていることは仕事ではありません。

私の場合、パソコンを使う必要がない場面ではできるだけパソコンの前に座らないか、電源を入れません。メールの返信はたいてい歩きながら行いますし、夜のオフィスで1人考えごと(ジョブ)をするときも基本的に紙ベースです。思いついたキーワードやマトリクス図などを手帳にいろいろ書き込みながら思考を整理していき、ちょっと調べものがしたくなったらスマホでパパっと調べます。

『すべての仕事は10分で終わる』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

「新規事業について考えよう。とりあえずワードを立ち上げて……」という発想にはなりません。小説を書くときに白紙の原稿用紙を目の前にしたほうがいい人もいれば、町を歩きながら物語を練る人もいるように、人によってやり方は異なるでしょう。でも、もし何も考えずにパソコンを開き、気がついたら中途半端な時間を過ごしている人がいたら、あえてパソコンを離れてみるといいと思います。それだけで数々の誘惑を遮断できます。

それに考えごとをするときは歩きながらのほうがよかったりするので、メモ代わりのスマホだけを持って会社のまわりをぐるぐる歩くほうが早く仕事が終わるかもしれません。

森川 亮 C Channel 社長

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もりかわ あきら / Akira Morikawa

1967年神奈川県生まれ。2003年にハンゲームジャパン株式会社(後にNHN Japan株式会社、現LINE株式会社)入社。2007年、同社代表取締役社長に就任。2015年3月に退任し、顧問就任。同年4月に女性向け動画メディアを運営するC Channel株式会社を設立。

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