ワークマンがついにカジュアル店を出すワケ バイク乗りや妊婦に「機能性ウエア」が人気
そしてこの秋、カジュアル分野強化のために新しい取り組みを開始する。新業態店「WORKMAN Plus(ワークマンプラス)」の出店だ。売り場面積は50~60坪程度で機能性カジュアルウエアのみを扱い、ファサード、レイアウト、展示すべてを既存店とは大きく変更する、まったく新しい形の店舗だ。
まずは東京都内の大型ショッピングモールへの出店を計画しているという。「当初はワークマンという名前を取り外して、新しいストアブランドを作ろうと思っていましたが、モール関係者から“ワークマンはプロが使っているプロ品質、こだわりの品質ということですでにブランドが確立しているから使ったほうがいい”とアドバイスを受けました。そのうえで、信頼性や安心感が感じられ、そこにアクティブで明るい印象を表現するために“Plus”を加えたのです」。
昨今のショッピングモール事情
流通専門誌である月刊『販売革新』(商業界)の西岡克編集長は昨今のショッピングモール事情を次のように話す。「現在のショッピングモールはアパレル分野が低迷しています。どのモールに行ってもテナントの顔ぶれは変わらず、ユーザーが飽きてきているから。そのため比較的好調な飲食や雑貨、コスメのテナント誘致に力を注ぎ、その結果、アパレルショップがさらに減るという現象が起きています。この流れを止めるためにも、目新しく勢いのあるアパレルテナントをモール運営者は探しているところです」。こうしたモール側のニーズにも合致し、ワークマンプラスに対して複数のショッピングモールから出店を打診されているという。
また、ショッピングモールのアパレルショップは女性向けが多く、家族連れで行った場合、男性が立ち寄る店が少ない傾向にある。そのため、フロアの休憩スペースでは男性が所在なさげに座っている光景がそこかしこで見られる。ワークマンプラスの出店は、こうしたショッピングモール難民の男性の居場所になると期待もされている。
3つのカジュアルラインでは迷彩柄のウエアも多数用意しており、サバイバルゲーム愛好者などのミリタリーマニアだけでなく、ストリートファッションとして迷彩柄を好む層にも売れているなど、幅広い男性層に売れ始めているからだ。
「上下をそろえると作業着になるが、上だけだと街歩きに使えるスタイリッシュなジャケットや、冷感素材を使用したストレッチデニム、ツナギも最近はスタイリッシュになっているなど、作業着をそのままカジュアルウエアとして提案することもできます。ワークマンプラスでは、機能性ウエア以外にもタウンユースとして使用できるウエアの展示も検討しているところです」
無料会員登録はこちら
ログインはこちら