ベネッセ教育総合研究所が2017年10月発表した「第2回乳幼児の親子のメディア活用調査」(調査対象は首都圏のゼロ歳6カ月~6歳就学前の幼児を持つ母親3400人、第1子のみ)によれば、ゼロ歳後半から6歳の子どもがスマホに「ほとんど毎日」接している割合は21.2%に上り、2013年に実施した調査結果に比べると、約2倍に増えています。
また母親のスマホ所有率も4年の間に60.5%から92.4%に増加しています。一方、テレビ(録画を除く)を「ほとんど毎日」利用する頻度は依然として高いものの、ビデオ・DVDのその頻度は4年前より約半分に減少しています。
多くの子どもは繰り返し視聴を好みます。子ども向けの映像サービスにとって、それは無視できない状況でしょう。視聴環境の変化によって、スマホやタブレットなどのデバイスで、すき間時間にいつでもどこでも何度も視聴できるAmazon版が作られたのは自然な流れとも言えます。Amazon版の全12話を十文字学園女子大学の大宮明子教授が監修を行い、デジタルデバイスで視聴することを考慮した見やすさにもこだわっているそうです。
エンタメ性と教育的な価値を両立
そして、気になるのは差別化です。Amazonの中ではライバルとも言えるありとあらゆる子ども向け番組も配信されていますから、「しまじろう」らしさが求められます。
「『こどもちゃれんじ』じゃないと届けることができない番組は何なんだろうと、考えました。そこでたどり着いた答えが、すき間の時間で手軽に面白くエンタメ性もあって、しっかり発達に裏付けられた教育的な価値を両立させることでした」(内山氏)
「しまじろうとあそぼう!」では「宝探し」や「ヒーロー」「サイエンス」「工作」など子どもが好きなテーマが1話ごとに設定され、その同じテーマで番組内の各コーナーが展開されています。地上波テレビ版では別々にアニメと実写が企画されているそうですが、Amazon版はアニメと実写の制作チームが共同で対話を繰り返し、一貫性にこだわっているそうです。つまり、番組の初めから終わりまで、子どもの興味を引き出し、それをアウトプットするまで徹底したというわけです。番組を通じて、子どもの成長を確かめる瞬間も生まれそうです。
教育要素が強まることで困る親はいません。筆者自身、子どもが小さいうちは映像サービスに助けられたこともありました。家事や出掛けた際のどうしても手を離せないとき、子どもが映像に集中しているすきに用を済ませることができれば有難いもの。ましてやそれに知育効果があれば、親の満足度が高まることは間違いないでしょう。
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