「九州パンケーキ」はなぜ全国に浸透したのか

地元資源の掛け算で地域ブランドを構築

起業家支援を行う「宮崎スタートアップバレー」の最高顧問も務めている村岡浩司さん(写真:村岡さん提供)

各県に特性はあるにせよ、島全体として、穀物、柑橘、 野菜、薬草、ハーブなどの農業資源に富んでいるとも総括できます。

1つの島で暮らしていることから、方言や信仰、生活様式、習俗などの共通点も少なくありません。

県単位で考えるのではなく、九州を俯瞰的に捉えることで新しい価値を見出せるのではないか。九州全体が盛り上がれば、その勢いはおのずと宮崎にも波及するのではないか。村岡さんが九州のブランド化を考えはじめたとき、ある転機が訪れます。

当たり前を掛け合わせる

視察で訪れたハワイのオーガニックスーパーで買い物をしているとき、村岡さんの目は『10 Grain Pancake Mix』という10種類の雑穀を使った商品に釘付けになります。このパンケーキのように、九州すべての県の素材をミックスさせたパンケーキを作りたいと思うまで時間はかかりませんでした。

九州は昔から小麦の生産が盛んであり、黒米や赤米をはじめとする古代米(雑穀米)も豊富に収穫できます。地元の人たちにとっては当たり前にあるものですが、これらの素材を掛け合わせ、九州という名を冠した新しい商品を生み出そうと村岡さんは考えたのです。 奇しくも東京でパンケーキが流行りはじめた時期であり、このムーブメントは全国に広がりを見せるはずだと推測しました。

村岡さんが目指したのは、雑穀や小麦の風味を生かした優しい食感のパンケーキです。パンケーキを口に入れると、山間の棚田や山裾に広がる小麦畑などの情緒あふれる風景が目に浮かぶ。そんな九州の原風景を想像できるような商品を作るべく、村岡さんは九州全域を駆けまわります。製粉会社や加工工場などのパートナー探し、素材の選定や調達。座組みを固めた後は研究所でサンプル開発を日夜繰り返し、九州の魅力が1つにパッケージ化されたパンケーキができ上がりました。

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