離婚後に生活保護費をちょろまかす女の謀略 別れた夫を2年間騙し、今ものさばり続ける
そんな彼女が家を飛び出して実家に戻ったのは妊娠6カ月目のこと。祥平さんも最初は「一時的にホルモンバランスが崩れ、精神的に不安定になるのはいつものこと。慣れ親しんだ実家で両親と一緒に過ごせば、元に戻るだろう」と高をくくっていました。しかし、その後、元妻から電話は着信拒否、メールは受信拒否、LINEはブロックされ、ついには実家を訪ねても義父に「これ以上、付きまとうと警察を呼ぶぞ!」と一喝されてしまい、祥平さんは途方に暮れました。
「妊婦を相手に離婚調停を起こすのは気が引けたのですが……」と当時の心境を語る祥平さん。それからまもなくして元妻との離婚調停に踏み込みますが、残念ながら祥平さんの思いどおりにはいきませんでした。
本来であれば離婚後は、娘さんの養育費だけを払えば十分です。ですが、元妻は「産後に体調が回復するまでは働けない」という理由で、養育費を上乗せしてほしいと頼み込んできました。当時はまだ情や申し訳なさが残っていたのかもしれません。祥平さんは10万円の養育費を元妻に毎月支払うことを許してしまいました。
無職の元妻のほうが稼いでいる状況が続いた
冒頭の話に戻ります。市役所から祥平さんに送られた手紙の内容は、「元妻が今後も生活保護を継続できるか否か」を明らかにするためのものでした。
離婚したとはいえ、相手は元妻。さらにこの世でたった一人のわが娘と一緒に暮らしています。どうすればいいのか判断に迷う彼に、「元妻が市役所から生活保護をいくらもらっているのかを尋ねてみてはどうでしょうか。市役所に回答するのは、その後でもいいのでは」とまずはアドバイスしました。
祥平さんが勇気を振り絞って市役所に問い合わせると、元妻の昨年度の所得がゼロだということ。毎月19万円の生活保護費だけでなく、毎月4万円近くの児童扶養手当(母子家庭の手当)を受給している事実が明らかになりました。
元妻が受け取っている手当などは毎月23万円。祥平さんが送る養育費と合わせると毎月33万円です。さらに元妻は書類上の所得が低いため、健康保険や年金の保険料、医療費もすべて免除。所得税も住民税もかかりません。元夫から送金される養育費も原則として非課税なので、33万円はすべて手元に残るおカネです。
一方で年収600万円の祥平さんはどうでしょうか? 無収入の元妻と違い、社会保険料や税金を納めており、医療費は3割の自己負担が生じます。祥平さんの手取り額は毎月36万円。毎月10万円を元妻へ送金しているので自由になるおカネは26万円です。まじめに働いている元夫よりも、いっさい働かない元妻のほうが裕福な状態が2年間、続いていたわけです。
「元妻の言いなりになって、2年間も高い養育費を払ってきたのがばかばかしく思えてきました!」
さすがの祥平さんも、この状況には納得がいきませんでした。ですが、すべての連絡方法を遮断されているため元妻へ連絡しようがありません。そんな矢先、祥平さんのLINEの「知り合いかも?」の欄に元妻とおぼしきアイコンが表示されました。幼子のほおにキスをする姿。「もしかして本人ではないか?」と勘付いた祥平さんは試しに元妻と思しきアイコンに友達申請をすると、なぜかそれが承認されました。どうやら相手は元妻の愛里さんだったようです。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら