「ゆる鉄」中井精也が駅前に画廊を開いたワケ

東京・三ノ輪に開店、商店街も元気になった

「僕が借りたお店は、元はミセス向けの洋服店だったそうで、ライトを吊れるレールもあって、ギャラリーに必要なものがもともとそろっていました。店に入った瞬間、これだ、と思いました。お店を見つけたのは3月。せっかくだからゴールデンウィークからやりたいよね、とスピード開店しました」

親しみやすい雰囲気で人気に

「ゆる鉄画廊」の入り口では、「旅情を飾ろう!」という大きなキャッチコピーと、中井さんの等身大パネルがお出迎え。店内に足を踏み入れると水色のタイルのような親しみやすい壁、白い棚には中井さんの著書やオリジナルグッズも並んでいる。平日というのにお客さんがひっきりなしに入ってくる。商店街だからだろうか、「こんにちは」「ちょっと見せてもらいます」と声をかけながら入ってくる方が多いのも印象的だ。

「子どもにも見やすいようにと、棚を低く作ったのですが、スタッフからは『ちょっと低すぎませんか』と言われました。

子どもにはちょうどよい高さの陳列棚(筆者撮影)

でもそこには子どもがお小遣いで買える小さな1000円の写真パネルを置いています。 子どもが何度も来て一生懸命選んで、『これください』とやって来る、もうその気持ちだけで、『あげるよ』と言いたくなるくらいです」

「カッコいい都会風の写真ギャラリーにするのは簡単だったけれど、そうではなく、お風呂屋さんのタイルみたいにして、自分のパネルを作って、入りやすい雰囲気を心がけました。

お店の隣が銭湯なんですけれど、ひと風呂浴びたおじいちゃんが桶を持ちながら『いいねえ』なんて言ってくれると、本当に嬉しいです」

店は奥のスペースがギャラリーになっており、白い壁に中井さんの作品が飾られている。こちらは入り口のスペースとはすこし雰囲気を異にして、作品から漂ってくる「旅情」を静かに楽しめる空間だ。

「写真はとにかく、見てもらってなんぼですから。プリントした写真を自分の目で見てもらいたい。『日本人に写真を飾る習慣を根付かせたい』なんて大それたことを考えたのではなく、一握りの人でもよいので、写真を飾る楽しさを知ってもらいたいんです」

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