「ゆる鉄」たちが愛する缶詰スナックの正体 ガチもノンガチも集まる「キハ」の吸引力

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カウンターには数十種類もの缶詰が!(写真:筆者撮影)

スナックの魅力は奥深い。大人たちが普段、会社では見せない顔を見せる場所。見知らぬ人と、楽しい一夜をともにできる場所。家よりも落ち着く場所。ママやマスターに話を聞いてもらえる場所。共感できる仲間が集う場所……。

それらの要素が複合的に組み合わさったものこそ、“スナック”である。スナックに通う人は、ママやマスターの人柄、ホスピタリティ、あるいは店のコンセプトに共感と愛着をおぼえ、やがて常連客へとなっていく。

カップ酒と缶詰片手に電車旅がコンセプト

具体的な目的は問わない。スナックならではの魅力に惹かれて集まる人がいて、それを受け入れるママ・マスターの存在があれば、それはまさしくスナックであると言えよう。それが、鉄道ファンが集まる場所であったとしても……。

“鉄道ファンが集まる場所”と聞くと、素人には敷居が高いイメージがある。「電車の話ができないと受け入れてもらえないのではないか」と、不安を感じる方も多いだろう。今回の舞台となる「キハ」は、“カップ酒と缶詰を片手にフラッと列車旅を”がコンセプト。まさに、鉄道ファンの終着駅のようなスナックだ。

都営浅草線・東京メトロ日比谷線の人形町駅から5分ほど行くと、突如、踏切にある信号灯が現れる。

暗闇に突然明かりが!(筆者撮影)

「鉄道ファンでもそうでない人もお気軽にご乗車ください」――。これを見て、さほど鉄道に対する知識を持ち合わせていない筆者と編集者Mは胸をなでおろした。

路地に入ると、赤と白に塗られた京急線車両を彷彿とさせる外観が見えてきた。その佇まいは独特な雰囲気を感じさせる。

入口には乗り場の看板が掲げられ、扉は健全なガラス戸。中の様子がよく見える。これなら女性でも、お一人様でも、気軽に入れそうだ。

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