結局のところ生き残るのは「仲のいい会社」だ ひろゆき氏が考える「いい人」の作用

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誰か一人が猛プッシュして入社してくる人がいると、組織として運営するのが難しくなります。派閥が生まれる原因にもなりますし、推薦してくれた上司がいなくなったら、一気にその人が働きにくくなったりするからです。

一方で、グーグルのように、全員が「×」をつけない人を採用するというのは、仮に飛び抜けた技術を持っていないにしても、長期間、働いてくれる可能性が高くなります。つまり、人格的に難がある人や性格が破綻している人を未然にふるいにかけることで省くことができ、後々の人間関係のトラブルを回避できるのです。

長期的に関係を築けない人は、最初から会社に入れない。これは会社を経営するものとしての鉄則です。

「有能な人」より「いい人」が会社を支える

そもそも会社は、商品やサービスがヒットすることで飛躍的に大きくなります。すると、いつか絶対に壁にぶつかってキツい時期を迎えるわけです。業績の波は、大なり小なり、必ず起こります。

そこで、社員が踏ん張って生き残れるかどうかが大事になってきます。「今は給料はいいけど、この先どうなるかわからない」と思っている人がたくさんいる会社は、業績が落ち込んだときにサーッと人が辞めていきます。

能力がある人というのは、見方を変えれば、「どこでもやっていける人」。つまり、転職が容易で抜けやすい人材でもあるわけです。

でも、そこに「いい人」という点が加われば、自分が辞めた後のことを考えてくれて、「じゃあ、もうちょっと頑張ってみよう」と思いとどまってくれる可能性が高くなります。だからこそ、「目先の能力だけを見ない」というのが、雇う側も雇われる側も生き残るポイントです。

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