「ギリギリまで粘れ」という人の誤った達成感 霊感が降りてくるのを待つというムダ

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キチンとタスク管理を行って、クオリティの高いものを出してこそ、お客さんのためになるのです。上司に霊感が降りてくるのを待っている場合ではありません。

こんなことに付き合っていられないと思った木村さんは、最初のうちは自分の分の仕事が終わったら自分だけ帰ってみることにしました。

しかしながら、すぐに木村さんは罪悪感で行き詰まります。同僚が頑張っているのに、自分だけ帰るのは忍びない……。そう思った木村さんはすぐに自分だけ帰るのをやめました。

木村さんは考えました。周りの人が帰らないから自分もつらくなってしまうのです。

周りの人も帰れる状況にしなければ……!

そう思い立った木村さんは、上司と毎週1回、15分の進捗管理の軽い打ち合わせするようにしたのです。木村さんだけでなく、木村さんのチームメンバーもそれを倣うようにしました。

チーム全体でタスク管理を行う

すると、いつも仕事が滞ってしまうのは上司が判断を下したり、処理する部分であることが、見える形で明らかになってきました。

こうなってくると、チーム全体に、上司のタスク管理ができていないことが共有され、みんながみんな上司の仕事の遅れをせっつくようになったのです。

こうなってくると、上司もインスピレーションを待っている場合ではありません。粛々と業務をこなすしかなくなってきました。

つまりはチーム全体で上司のタスク管理を行うことにしたのです。

上司がタスク管理ぐらいできなくてどうする!とお思いになられる方もいらっしゃるかもしれませんが、上司だって人の子です。できないところをカバーするのが部下の務めです。

その代わりに、上司には上司の得意なところを担当してもらえばいいのです。そうすれば、上司と部下をあわせたチームとしてより高い効率化が図れるようになるのです。

このような形で上司のタスク管理を始めた木村さんのチームはほどなくして、徹夜を避けられるようになってきました。それでもまだまだ定時で帰れる日は少ないのですが、定時で帰れる日に上司に飲みに誘われても、すっと忍者のように姿を消すことを、木村さんは最近練習しているとのことです。

といったところで今日は失礼します☆

ずんずん キャリア・人間関係コーチ、コラムニスト

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ずんずん / zunzun

元外資系OL。大学卒業後、埼玉県にある日系事業会社に就職。激務の果てに「死ぬ前に丸の内OLになりたい」と転職活動を開始し、外資系投資銀行に採用される。さらにシンガポールの世界的IT系企業で働いたのち、帰国。著書にコミックエッセイ『外資系はつらいよ OLずんずんが見た資本主義帝国♪の全貌』『外資系OLは見た!世界一タフな職場を生き抜く人たちの仕事の習慣』(ともにKADOKAWA)『エリートに負けない仕事術』(大和書房)がある。

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