投資家がトランプ大統領に惑わされない方法 米朝首脳会談の「ドタキャン」はないのか?

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こうしたトランプ政権の相変わらずの「御乱行」について、いろいろな方からよくご質問をいただく。それは「今後どのように米政権が行動し、最終的な落としどころとそこに向かうスケジュールはどうなるのか」「トランプ大統領は、この後、いつ、どのような発言を行うと予想されるのか」といったものだ。そのように尋ねられても、筆者はまったくわからない。

それは筆者がわからないだけではなく、「不規則発言」を繰り返すトランプ大統領自身も、まったくわかっていないだろう。トランプ大統領は落としどころが見えていて、そこに向けて計画どおりに、交渉相手を左右に揺さぶっているに違いない、という識者がいるが、おそらくそれは買いかぶりすぎで、本人も行き当たりばったりで(よく言えば状況の変化に応じて柔軟に)ああ言ったりこう言ったりしているだけではないか。

では、投資家はトランプ騒ぎに対して、どうしたらよいのか。正解は「あきらめる」ことだと考える。トランプ大統領がいつ何を言うのかはわかるはずがなく、最終的に交渉事がどうなるのかも正確にわかるはずがない。大統領の発言で株価が上振れする前に買おう、とか、逆に発言が株価を押し下げる前に売ろう、というのは、無理だからあきらめたほうがよい。

それでも「トランプ騒ぎ」は次第に下火に

一方で、株価が下振れしたところで慌てて売る、上振れした局面で急いで買う、ということは避けるべきだろう。というのは、中長期的には、それなりの穏当なところに、話が落ち着く展開になると考えるからだ。

たとえば輸入自動車に対する関税引き上げについては、24日(木)には、共和党のオリン・ハッチ上院財政委員会委員長や、ボブ・コーカー上院外交委員長は、反対の意を表明している。また産業界でも、もし米国が自動車の輸入関税を引き上げれば、日欧などからの報復を受けるかもしれず、そのためかえって米国の自動車企業にとって打撃になりかねない、との懸念の声がある。こうした国内での反対の声を受けて、最終的にトランプ大統領は関税引き上げを行わない可能性がある。

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