カローラハッチバック発売前にわかった全貌 210万円台からの価格やグレード構成なども

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「カローラにしてはずいぶん高いなあ」というのが第一印象であるが、新車販売業界に精通している事情通氏は別のアプローチで考えてみると、かなり戦略的な価格設定となっていると語ってくれた。

Entune 3.0 Audioを通じて、iPhoneの機能を車載ディスプレイで操作できるApple CarPlay、音声サービスの「Alexa」を利用可能とするAmazon Alexaなど、さまざまなアプリが利用可能(写真:トヨタグローバルニュースルーム)

「5ナンバーサイズセダンとなる『カローラ アクシオ』には、W×Bという、スポーティイメージを強調したドレスアップを施したグレードがあります(ワゴンのフィールダーにも設定あり)。このW×Bの[ハイブリッドG]というグレードを、カローラハッチバックとオプション内容などをほぼ同条件にして試算すると約300万円になります。販売現場で聞くと支払総額で300万円を超える車両の商談では30万円ぐらいの価格差は許容範囲になるそうで、このような比較をすると、カローラハッチバックの価格設定は非常に戦略的といえるでしょう」

トヨタのウェブサイトによると、カローラ アクシオのなかで、W×BのハイブリッドGはグレードの人気ランキングで第3位となっている。現実的な選択肢がそれほど多くない中でのランキングとなるが、“オジさん車臭”が漂うカローラ アクシオのなかでも、若年ドライバーが運転している光景を街中でよく見掛ける。

商談時には「アクシオのW×Bより30万円高いだけですよ」というセールスアプローチは、カローラハッチバックの販促においては有効となるだろう。ステーションワゴンタイプとなるカローラ フィールダーにもW×BハイブリッドGは設定されており、支払総額はやはり約300万円となる。

カローラハッチバックにするか、C-HRにするか

先ごろ改良を行ったSUV「C-HR」のハイブリッド仕様のなかで「S LEDパッケージ」でやはりほぼ同条件で試算すると約315万円となった。こうなると「カローラハッチバックにするか、C-HRにするか」という比較検討も可能となってくる。

クーペSUVスタイルを採用するC-HRだが、ハイブリッドには4WDはないので、その面ではカローラハッチバックのハイブリッドと条件は同じ。スタイルなどで比較することになる。C-HRはすでにデビューしてから1年以上経過しているので、鮮度からいけばカローラハッチバック。人気を呼んでいるジャンルであるSUVに乗りたいならC-HRとなるだろう。

日本車のライバルに想定されるシビック、アクセラ、インプレッサには、いずれもハイブリッド仕様はラインナップされていない。クリーンディーゼルをラインナップしているアクセラと比較すると、1.5Lディーゼルを搭載する「XD Lパッケージ」とカローラハッチバックの「ハイブリッドG Z」の支払総額がほぼ同条件となった。

次ページ他メーカーへ流れるのを防ぐ一策になりうる
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