そして、日本シリーズは言うまでもなく、NPBの頂上決戦であり、両リーグの代表チームが総力でぶつかる真剣勝負だ。ここでの勝率もオープン戦とほぼ同じなのだ。
この表にはないが、オールスター戦は、2009年以降セが10勝8敗3分と勝ち越してはいる。しかしオールスター戦は交流戦の開始とともにその存在意義が薄れつつある。昔は人気のセに実力のパがぶつかり合い、火花を散らしたが、今は、スター選手が顔見世をするお祭りの色合いが強くなっている。1年に2、3試合と数も少なく、参考にはならないだろう。
交流戦だけでなく、オープン戦でも、日本シリーズでも、パ・リーグがセ・リーグに勝ち越している。
つまり、セントラル・リーグは、パシフィック・リーグよりも弱いともいえる。
交流戦の戦績と興行という二面性
交流戦の時期になると「そろそろ交流戦はいいんじゃないか」という声が聞かれる。
主にセ・リーグ側の関係者やファンからの声だ。もともと交流戦は、パ・リーグからの申し入れをセが受諾して始まったものだ。そもそもセ・リーグはその必要性を感じていなかった、という理屈だ。
しかしこうも一方的な勝敗になっている中で、負けている側が「取りやめ」を言うのは、いかがなものか。パのファンからは「そういうのは勝ってから言え」という反論の声も聞こえる。
当初、1チーム当り36試合あった交流戦が徐々に減らされて今では半分の18試合に減ったのは、試合日程などの関係もあるが、セ側から削減の要望があったためと言われている。
ただし、交流戦は興行的には成功している。
昨年、伊藤歩さんが紹介した通り(『プロ野球交流戦「廃止論」が毎年浮上する事情』2017年7月27日配信)、観客動員は通常のリーグ戦と同様か、それ以上に入っている。
そういう意味ではセ側の「交流戦廃止論」は「これ以上弱いのを世間にさらしたくない」からだと言われても仕方がない。しかしながら、さらにデータを調べて行くと、セの球団に「勝ってから言え」というのは、なかなか酷な話だということもわかる。
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