任天堂も動いた!変わるゲームの「特許事情」

「パクり合い」に寛容な時代はもう終わった

ただ、状況は変わりつつある。2012年にセガとレベルファイブ、2014年にカプコンとコーエーテクモゲームス、2018年にグリーと米スーパーセルとの間で特許訴訟が起きている。田嶋弁理士は「近年、各社の特許権に対する意識は徐々に高まりつつある」と続ける。そうした流れの中で起きたのが今回の訴訟だ。

任天堂が訴訟に踏み切った背景について業界内では、「任天堂の知財戦略が変わったのではないか」「特許権以外の部分で、『白猫』が任天堂の逆鱗に触れたのではないか」といった憶測も飛び交う。

1年の交渉を経ても折り合いがつかなかった

これに対し任天堂の説明は、「特許権の侵害について長期間交渉したが、話がまとまらなかった。そこに尽きる」(広報)というもの。実際、両社の協議が始まったのは2016年9月で、1年以上の交渉を経てから提訴に至っている。コロプラ側の説明もおおむね同様で、2月7日の決算会見で馬場功淳社長は「私が京都に行ってお話しするなど、さまざまな取り組みをさせていただいた。お互いしっかり話し合ったという認識はあると思う」と語った。

『白猫プロジェクト』のプレー画面。今回の訴訟では『白猫』のキモとなる操作機能「ぷにコン」の特許権侵害についても争われる(画像:コロプラ)

裁判資料によれば、争われている特許は全部で6件。昨年12月の提訴時点では5件だったが、その後6件目が追加された。中身はキャラクターの操作機能をはじめとして、スリープモードからの復帰方法、通信プレーに関連するものまで幅広い。

特許は「請求項」と呼ばれる発明群によって構成されており、裁判では請求項ごとに侵害の有無が争われる。勝敗を決めるポイントは2つある。

1つは、『白猫』が特許権を侵害しているかどうか。原則として、特許権の範囲を定める(個別の請求項にかかる発明を構成する)「構成要件」をすべて満たしていれば、特許権を侵害していると認められる。もう1つは、特許権が有効なものかどうか。特許出願以前にすでに同じ発明がなされていた場合など、特許権の要素が欠けていることが認められると、その特許は無効になる。

つまり、任天堂側は「『白猫』の機能が構成要件をすべて満たしている」と証明することが必要で、コロプラ側は「構成要件と異なる部分が1カ所でも存在する」、もしくは「特許権が無効な要素がある」のどちらかが認められればよい。

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