加計問題、今度の「新文書」がヤバすぎるワケ 首相は理事長との面談を否定しきれるのか
見解がここまで割れてしまっているわけだが、真実はどうなのか。それを確認するには、愛媛県や今治市、そして加計学園から話を聞くほかはないだろう。立憲民主党など野党5党と1会派は22日午前に院内で幹事長・書記局長会談を行い、柳瀬元総理秘書官と加計理事長の証人喚問および愛媛県の中村時広知事の参考人招致を求めることを決定した。
これに意欲を示すのは中村知事だ。愛媛県が提出した文書について「改ざんする必要がない。ありのままに報告書類として出されたものが提出された」と述べ、安倍首相と真正面からの対決もいとわない姿勢を見せる。
「何が本当かわからない」
自民党の中では意見が分かれた。二階俊博幹事長が「安倍首相の発言を信頼し支持する」と述べる一方で、アンチ安倍の急先鋒である愛媛県第2区の村上誠一郎衆議院議員は、「国民を愚弄するというか、国会軽視」「愛媛県の職員がなぜ嘘をついてまで書く必要があるのか。忠実だから嘘は書いていない」と野党以上に激しい批判を展開。安倍首相を支えるべき竹下亘総務会長でさえ、「何が本当かわからない」と困惑している様子だ。
閣内も一枚岩とはいえない。野田聖子総務相は「国会で当事者が説明責任を果たすことが一番大事」と述べ、安倍首相から距離を置いている。
その野田総務相を含む安倍首相ら13名の衆議院議員は5月22日、永年在職25年で衆議院から表彰された。さらに同日夜、安倍首相が所属する清和政策研究会のパーティーが都内のホテルで開かれた。
そのクライマックスたる安倍首相の挨拶は、当初は午後6時7分に始まる予定だったが、大きく遅れて午後7時4分にスタートした。
「新卒の大学生の就職率が98%になり、(1997年の調査開始以来)最高を記録した。夏のボーナスも4%上がるらしい。来年はもっと良くしていきたい」。開口一番に安倍首相が強調したのがアベノミクスの成果だった。そして9月に予定される総裁選3選への意欲をもにじませたが、加計学園問題についてはまるで封印したかのように、一言も述べなかった。
さて6月20日の会期末まで残り1カ月を切った。国会ではIR実施法案、働き方改革関連法案などが山積みで、外交面では米朝首脳会談の開催が危ぶまれている。24日から訪ロする予定の安倍首相だが、こうした数々の国難をどう乗り越えるのか。
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