50歳を超えて「燃えるような恋」をする人たち 「キュンキュンできる人」はこうして見つけた

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真里さんも休会をして、真剣交際を始めた。早く先に進むように背中を押してくれたのは真里さんの友人だった。

「デートを重ねるだけではなく、寝食を共にしないと相手のことはわからない、と言うんです。ちょっとびっくりしましたが、泊まりで京都旅行をして、1カ月ほど私が一人暮らしをしている部屋にいてもらいました」

結婚した後も、「ここを直してほしい」と思うところはないと真里さんは裕也さんを絶賛する。前夫と違い、裕也さんは片付けができる男性だ。

「でも、思ったことはちゃんと伝えるように意識しています。前の結婚はずっと自分を抑え込んでいて失敗してしまったので……。最近、裕也さんは洗濯や掃除もやってくれるようになりました」

隣で照れくさそうにしている裕也さん。聞けば、家事に関しては「余計な手出し」をしないようにしていたという。

「自分のやり方で家事をしたい女性もいるじゃないですか」

裕也さんの前妻はその1人だったのかもしれない。しかし、エステサロン経営に精を出す真里さんは豪快に笑い飛ばす。

「どんなやり方でもいい。やってくれたらうれしいよ!」

お互いの存在を当たり前にせず、大切にしたい

温かい再婚生活のおかげで、裕也さんのほうも仕事に身が入るようになった。自分が住んでいない持ち家のローンの支払いを続けるためだけに働いていた頃と違って、今は真里さんという「目的」があるのだ。

「毎日、家に帰ると『おかえり!』と言ってもらえるのがうれしいです。酒量も減り、休肝日を設けました。前の妻とは途中からだんだん仲が悪くなってしまったので、今ではとにかく妻と真剣に向き合おうと思っています。お互いの存在を当たり前にせず、大切にしたい。健康で長く一緒に暮らしていければいいなと思います」

心配事はゼロではない。特に子どもとの関係は難しい。真里さんの2人の子のうち、娘は30代という年齢もあるのか、裕也さんとも親しく会話できる。しかし、20代半ばで東京に暮らす息子とは距離ができてしまった。

裕也さんのほうはより深刻だ。真里さんとの再婚のせいではないが、前妻との子どもたちとは音信不通の状態が続いている。前妻とその両親が裕也さんを激しく嫌っていることが影響しているようだ。

「私たちが地に足をつけて暮らしていくことがいちばん大事だと思っています。子どもたちもいつかわかってくれるはずです。わが家にはいつ訪れてくれても構いません」

明るく力強く言い切る真里さん。まずは自分とパートナーが幸せになること。それがいずれ子どもや親を迎え入れる豊かな場所をつくるのかもしれない。

大宮 冬洋 ライター

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おおみや とうよう / Toyo Omiya

1976年埼玉県生まれ。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリングに入社するがわずか1年で退社。編集プロダクション勤務を経て、2002年よりフリーライター。著書に『30代未婚男』(共著、NHK出版)、『バブルの遺言』(廣済堂出版)、『あした会社がなくなっても生きていく12の知恵』『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました。』(ともに、ぱる出版)、『人は死ぬまで結婚できる 晩婚時代の幸せのつかみ方』 (講談社+α新書)など。

読者の方々との交流イベント「スナック大宮」を東京や愛知で毎月開催。http://omiyatoyo.com/

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