SNS初心者が知らない「炎上プロセス」の正体 なぜ「ネット炎上」はなくならないのか

拡大
縮小

炎上とセットで使われる言葉に「祭り」がある。これは主に2ちゃんねる(現在は5ちゃんねる)を舞台として起きるもので、匿名掲示板であるがゆえに、実名では語れない話題で盛り上がることを指す。祭りになる過程で、短時間でスレッドが多数立ち上がり、書き込みが殺到する。

書き込む側の心理は、許せない、懲らしめようというものであり、徹底した個人攻撃、そのための個人情報の特定が行われるのが特徴である。

個人の特定から勤務先が割り出されると、勤務先に対して批判や非難が殺到し、学生だと所属する学校に非難が殺到する。そして学長や社長が謝罪に追い込まれるというのが1つのパターンになっている。

ネット炎上を防ぐにはどうすればいいか

誰でもがネット炎上する危険を持っている。昔は有名人が多かったが、いまでは普通の一般人がネット炎上に巻き込まれるケースが増えている。特に学生の場合は、わきが甘いためにネット炎上のリスクとつねに隣り合わせである、といってもよいほどだ。

SNSへの投稿に際し注意すべき点は、前回の記事「炎上する大学生がわかっていない、SNSの作法」で示したとおりだが、簡単におさらいすると、①第三者の権利の尊重と保護、②誹謗中傷の禁止、③いったんネットに出た情報は消えないという特性の理解、の3点だ。

こうしたことに該当しそうだと思ったら、そこで手を休めて投稿する前に一呼吸置こう。読んだ他人が不愉快に思わないか、という視点で考えるとよいだろう。最近はとみに自慢話が多いと思うし、自分では意識がなくても、人がうらやましいと思うような場所やシチュエーションを披露していたりする。

無自覚の自慢であり、表向きはいいね!とボタンを押しても、心の底では嫌悪する人がいるのもネットの世界である。よって十分注視ながら慎重に対応していくことが望まれるだろう。

次ページネット炎上のプロセス
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT