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脱北元公使が明かす「日朝平壌宣言」の舞台裏 北朝鮮は100億ドルのために拉致を認めた

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  • 五味 洋治 ジャーナリスト、東京新聞 前論説委員
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「その後100億ドルの話は立ち消えになり、拉致ばかりが問題視されることになった」と太氏は書いている。

そして金総書記も「日本の連中は信じられない。むしろアメリカの奴らの方がいい」と語り、日本との関係改善を放棄した(212ページ)。

日本の外交当局は、この本の記述をよく研究すべき

あくまで脱北者の本の記述ではあるが、当時外務省の中にいて、首脳会談を平壌で見聞きしていた人物だけに、これに近い状況があったと考えてもいいだろう。小泉首相と、同行していた安倍晋三官房副長官(当時)は、外交的には完全に北朝鮮に勝っていた。

しかし「屈辱的な譲歩」が実を結ばなかったため、北朝鮮はその後、「拉致は解決済み」と主張し、日本との交渉に応じなくなってしまった。

2002年の日朝平壌宣言から20年近い年月が経った。金正恩党委員長が首脳外交に乗り出すのを見て、安倍首相は、再び「日朝平壌宣言」について言及するようになっている。

今月14日の衆院予算委員会では「平壌宣言に則って、拉致、核、ミサイルを包括的に解決し、両国間の不幸な過去を精算し、(国交)正常化するという方針に変わりはない」と述べた。

交渉の進展を祈りたいが、北朝鮮側は、2002年とは違い、韓国、中国を自分の方に引き寄せている。残念ながら、日本からの経済支援のために再び譲歩することは考えにくい。日本の外交当局は、この本の記述をよく研究しておくべきだろう。

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