「オフィスロボ」は人口が減る日本の必需品だ RPAホールディングスが進めていること
2016年の初めに欧米のコンサルティング会社が提唱して以来、RPAという言葉をあちこちで目にするようになっています。これはRobotic Process Automationの略称で、ルールエンジン・機械学習・人工知能といった最新の認知技術を活用して、主にホワイトカラー業務の自動化・効率化を推進するという取り組みです。
実は、この言葉が生まれるはるか以前の2008年に、工場のFA(factory Automation)からヒントを得てオフィス版のロボットアウトソーシングサービス「BizRobo!」をリリースしたのがRPAホールディングスです。
日本では少子高齢化による労働人口の減少が続くだけに、特にRPAの普及に熱い期待が寄せられています。同社の高橋代表取締役に、RPAに注力するに至った経緯やビジネスの概要、今後の戦略などについて伺いました。
2000年4月設立のRPAホールディングスは大企業向けの新規事業コンサルティングに特化したビジネスを展開していたが、2008年9月のリーマンショックを機に様々な新規ビジネスを模索し、人間を補完する業務を遂行するデジタルレイバー(仮想知的労働者)であるロボット(ソフトウェアロボット)へのアウトソーソング事業を着想。ブラッシュアップを重ねながらコンサルティング営業を続け、日本におけるRPA推進の先駆者的存在となる。2016年には純粋持ち株会社へ移行し、現社名に商号変更。2018年2月期の売上高41億8800万円、営業利益4億6500万円・証券コードは6572。
孫氏の下でスカパー前身の立ち上げに携わる
小林賢治(シニフィアン共同代表。以下、小林):当初は今の業態ではなく、かなり幅広いビジネスを手掛けられていたようですね。どういった経緯で、今のビジネスに辿り着いたのでしょうか?
高橋知道代表取締役(以下、高橋):まずは僕のキャリアについて簡単に説明しておきますと、1993年に大学を卒業して入社したのがアンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)です。もともとはアーサー・アンダーセンという会計会社のコンサルティング部門だったのですが、1989年に分社化されて東京にもオフィスが開設されていました。実は、1953年にGEがコンピューターをビジネスに初めて導入したことによりコンサルティング業を始めたのがアンダーセンコンサルティングです。当時はITという言葉さえ生まれておらず、システムとか電算と呼ばれていましたし、学生の頃からパソコンを持っているのはオタクでした。だから、いわゆるITに秘められた可能性について僕が認識したのは入社後のことです。