米株式市場は「5月に売れ」の格言に逆行か 好決算が支援

[ニューヨーク 18日 ロイター] - 「5月に株を売って逃げろ」というウォール街の格言は、過去の中間選挙の年には賢明なアドバイスとなってきたが、今年はこの格言に従わない方がよさそうだ。
好調な企業決算や米経済成長を背景に株式市場はこれまでのトレンドに逆行する見通し。
株式市場は最近まで、5月からの6カ月間にアンダーパフォームしてきた。この期間はメモリアル・デーとレーバー・デーに挟まれ、多くのトレーダーが休暇を取ることも背景にある。
ストック・トレーダーズ・アルマナックによると、ダウ工業株30種<.DJI>は1950年以降、5─10月に64.71ポイント下落する一方、11─4月には2万0790.89ポイント上昇している。
S&P総合500種<.SPX>も同年以降の5─10月に264.31ポイント上昇する一方、11─4月には2420.72ポイント上昇しているという。
しかし、アメリプライズ・ファイナンシャルの首席市場ストラテジスト、デビッド・ジョイ氏は「今年はそうはいかないと思う」とし、「経済は力強く、企業の業績も好調だ。市場はもうすでに少し売られている」と指摘した。
今年の5月は好調なスタートを切り、ダウもS&Pも2009年以来の良好なパフォーマンスを記録する勢いだ。
だが、LPLリサーチによると、1950年以降、中間選挙の年にはS&Pは5─10月に平均でわずか0.1%しか上昇していないという。
USバンク・ウェルス・マネジメントのシニア株式ストラテジスト、テリー・サンドベン氏は「中間選挙は明らかに逆風であり、懸念だが、ほかの材料もある」と指摘。インフレ圧力や金利上昇によって投資の難しさが増しているとの見方を示した。
しかし、5月単月に関しては直近でダウとS&Pがともに下落したのは2012年。その後の5年間ではS&Pは2015年を除く4年間の5─10月に上昇している。
またLPLによると、1950年以降、S&Pが11─4月に上昇した後に200日移動平均線を上回って5月に入った際には同指数は高い確率で上昇しているという。
2017/18年に関してはS&Pは11─4月に2.8%上昇し、200日線を40ポイント近く上回る水準で5月に入っている。
LPLファイナンシャルのシニア市場ストラテジスト、ライアン・デトリック氏は「向こう6カ月間、われわれは下落局面で買いを入れる」とし、「5月に株を売って逃げろ」のトレンドに逆行してもまったく驚かないだろうと語った。