転職を甘く考えている人に教えたい優先順位 20代女性が漫画をきっかけに考えてみた

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『地元で広告代理店の営業女子はじめました』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

そこには、職場環境の変化や突然の不況、中間管理職として上司と部下にはさまれ、部下の教育をしながらもプレーヤーとして自身の業務もこなさなければならない両立の苦しみがありました。

たとえば、

・中途採用された「後輩だけど社会人として先輩」の男性への注意の仕方に気を遣う

・組織変更により、やる気のない上司が来てしまい、言いたいことも言えない状況になる

・年に一度の営業最優秀賞にノミネートされるも、過去に一度受賞しているため「えりたはもういいだろ」と言われ傷つく

など些細だけれども、どの会社でも誰にでもあり得るような小さなストレスや不安、不満が積み重なっていく様子は、思わず真剣に読み入ってしまいます。

そこに訪れたリーマン・ショックによる世界的大不況。えりたさんの勤めていた会社は大打撃を受け、売上は落ち、人事にもテコ入れが入り……といった、世知辛い話題も出てきます。

特に読んでいて心が傷んだのは、チームが日に日にギスギスしていくエピソードです。昇格し、本格的に部下を指導する立場になったえりたさんは、ある時外部のリーダー研修を受けに行きます。その研修での教えをそのまま実践すると、以前とのギャップに部下の心が離れ、チームでも会社でも孤立していくことに。

いわゆる、やる気の空回りです。仕事に真面目であればあるほど、該当してしまいそうなこのエピソードに「明日は我が身。もしかすると、すでにそうなっているかもしれない……」と、ドキドキさせられました。

そんな彼女が葛藤し、転職を考えて決断する姿がこの一冊には詰まっています。

ちょうど社会人3年目の私には、共感する部分や仕事に対する考え方の面で学べる部分も多く、とても刺さりました。私はこの漫画を、私やえりたさんと同じような社会人3~5年目の人たちにぜひ読んでもらいたいと思います。なぜならこの漫画は、自分の人生について、色々と考えるきっかけを与えてくれたからです。

軽々しく口にされる「転職したい」の台詞

冒頭で、年々「転職」を考える新入社員の割合が増加傾向にある話をしました。また、ワークライフバランスに対する考え方の変化も日々実感しています。

私自身は、「一度入った会社には最後まで勤め続けなければならない」「若いうちの転職はただの逃げだ」などとは考えていません。むしろ自分も、いずれ本気で転職を考えたときや必要に迫られたときは、転職を選ぶと思います。

えりたさんの選択も「本当に考え抜いた末の決断だったのだな」と、読了後ものすごく納得し、応援したくなりました。

同時に、日頃感じていた自分の中の“モヤモヤ”に向き合うきっかけにもなりました。

私は「転職肯定派」です。なぜかというと、最近仕事で色々な業種の方と話すようになり、ひとつの会社だけではない、色々な世界・考え方に触れる機会が増えたからです。

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