星野リゾートの社内はなぜ風通しがいいのか

社員が自律的に動ける組織が持つ5つの特徴

星野リゾートの星野佳路代表(撮影:風間 仁一郎)

いま、「ティール組織(進化型組織)」と呼ばれる次世代型組織モデルが、経営者や人事担当者たちの注目を集めている。組織には売り上げ目標や予算もなければ、上司からの指示もない。にもかかわらず、社員はモチベーションを高く持ち、自律的に仕事をする。ティール組織とは、働く人が主導するセルフマネジメント組織であるという。

効率重視と合理主義がもたらした弊害

どうすれば社員1人ひとりの主体性を引き出し、限られた人材で生産性を最大化できる組織をつくることができるのか――。これは多くの経営者や管理職、チームリーダーが抱える共通の課題ではないだろうか。今年はじめに日本語訳が発売された『ティール組織』(フレデリック・ラルー著)によると、現代の資本主義社会においては、徹底した目標設定と目標管理のもと、競争に勝つことで利益を拡大し、成長を目指す達成型組織が主流だという。従来型のピラミッド構造をもつこの組織モデルで、これまで多くの企業が業績を上げてきた。

一方で、過度の効率重視と合理主義が働く人たちを機械の歯車のように扱い、人々のやる気を奪い、仕事をつまらなく苦しいものに変えてしまった。そこで、達成型組織に代わる新たな組織モデルとして生まれたのが、ティール組織というわけだ。海外では20年ほど前から登場し、ティール組織の条件に合致する企業もいくつかあるようだが、「完成型」はいまのところない。

日本ではどうか。じつは、ティール組織に極めて近い組織をつくりあげてきた企業がある。国内外で旅館やホテルを展開する「星野リゾート」だ。

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