Androidの父が作ったシンプルスマホの全貌 公式サイトを通じて日本でも購入可能に
FacebookやYouTubeにこれらのコンテンツをそのままアップロードすれば、ほかの人にすぐに見せることができる。またEssential Phoneのカメラアプリでは、360度写真を平面の写真にまとめる「Tiny Planet」写真を作成したり、撮影したコンテンツから新たに写真やビデオを切り出す機能も備えている。
とにかく手軽に360度コンテンツを普段のスマートフォンで作成できる点は、Essential Phoneを選ぶ1つの理由となるだろう。Facebookが発売した安価なVRゴーグル「Oculus Go」の登場もあり、Essential Phoneは、VRのカジュアルな楽しみ方の起点となることが予想できる。
Essentialが作られる「遊び場」
Essential Phoneは、チタンやセラミックといったこれまでのスマートフォンにはなかった素材によるデザインの実現、ピュアなAndroid体験、ハードウエアはそのままに細かいアップデートによってその機能や性能を改善していく点など、スタートアップ企業ならではの製品の面白さと、品質を上回る体験の提供を両立している希有な存在だ。

カリフォルニア州パロアルトにあるEssentialが入居するのは、前述のアンディ・ルービン氏がグーグル退社後に設立したハードウエア系スタートアップ投資会社「Playground Global」。Google I/O前日の5月7日に開催された、同社のポップアップパーティーを取材した。
Essential以外にも数々のハードウエアスタートアップが展示を行っており、その多くの企業がすでに製品を販売している。たとえば、体に装着してゲームなどの重低音を振動で感じるジャケット「Subpac」や、3Dマシンビジョンを駆使した自動追尾飛行を実現するドローンカメラ「Skydio」など、ユニークな製品が数多く生まれる場所だ。
パーティのメイン会場となっているのは、ちょっとしたショッピングセンターのフードコートのような広々としたキッチンエリアだったが、その奥に一際存在感があるのが、デザインスタジオだ。

巨大な切削機械やレーザーカッターが並ぶマシンショップ、電波や電気的な設計やテストが行えるエレクトロニクスラボ、光学機能をテストできるオプティックラボなど、スタートアップ企業では揃えられないような機材と環境が整っており、素早いプロトタイピングやテストを繰り返し行うことができる。
Essential Phoneをはじめとしたユニークで高品質な製品をスタートアップ企業が素早く生み出せる理由は、ルービン氏が整えた環境とこれを活用できる頭脳の集積によるものだった。
日本でもEssential Phoneの展開が始まる
発売後1年経ってもなお魅力的なデザインと進化を続けるソフトウエアを備えるEssential Phoneだが、ようやくオンラインで日本からも買えるようになった。
米国では直販のほかに、携帯電話会社Sprintでの取り扱いと家電量販店BestBuyなどでの販売が行われている。日本市場でも気軽に触れる環境を、Essentialとして用意したい意向だ。
その質感やシンプルさをもっとも発揮するのは、手に取った瞬間の心地よさだ。その瞬間は、スマートフォンを日々使う日常そのものでもある。ルービン氏とエンジニアの情熱を感じる意欲的な製品に触れると、テクノロジーとのつながりに新たな気づきがもたらされるだろう。
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