日経平均は続落、米長期金利上昇で警戒感 「適温相場」の継続に懐疑的な見方も強まる

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 5月16日、東京株式市場で日経平均は続落した。米10年債利回りが約7年ぶりの水準まで上昇したことを受け、前日の米国株が下落した流れを引き継いだ。写真は東京証券取引所で2015年8月撮影(2018年 ロイター/Yuya Shino)

[東京 16日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は続落した。米10年債利回りが約7年ぶりの水準まで上昇したことを受け、前日の米国株が下落した流れを引き継いだ。1ドル110円台前半まで円安に振れた為替は支えとなったが、「適温相場」の継続に懐疑的な見方が強まった。北朝鮮情勢への警戒感や、日本の1─3月期国内総生産(GDP)が市場予想を下回る弱い内容となったことも相場の重しとなった。

TOPIXも続落。業種別では医薬品が上昇率トップ。三菱UFJ<8306.T>とゆうちょ銀行<7182.T>の下げを受け銀行セクターは軟調。下落率トップは鉱業だった。

寄り前に内閣府が発表した2018年1─3月期国民所得統計1次速報は、実質GDPが年率換算でマイナス0.6%となり、9四半期ぶりのマイナス成長となった。民間調査機関の事前予測はマイナス0.2%。予想を下回る結果となったことを受け、買い手控えムードが強まった。

また北朝鮮は16日、米韓軍事演習を理由に、予定していた韓国との閣僚級会談を突然中止した。米朝首脳会談の実現にも不透明感が強まり、投資家心理を冷やした。ただ石川製作所<6208.T>など防衛関連銘柄の一角には短期的な資金が向かった。

松井証券・シニアマーケットアナリストの窪田朋一郎氏は「主力株はまだら模様となり売り一辺倒ではなかったが、米国債の発行量が増え、バランスシートの圧縮が進んでいくと米金利が下がりづらい環境となる」と指摘。「日本株への押し目買いも息切れ感がある。直近で新興国通貨は売られきたが、不安定な状況が続きそう」とみる。

個別銘柄では日新製鋼<5413.T>が急伸。新日鉄住金<5401.T>は16日、19年1月1日付で株式交換により日新製鋼を完全子会社化すると発表した。日新製鋼1株に対し、新日鉄住金0.71株を割り当てる。発表を受け東京証券取引所は日新製鋼の株式売買を一時停止。市場では株式交換比率をもとにした理論株価が意識され、売買再開後の日新製鋼株には買い注文が集まった。

半面、日本郵政<6178.T>が軟調。19年3月期の連結当期利益予想を前期比28.4%減の3300億円と15日に発表し、嫌気された。低金利下の運用難で、傘下のゆうちょ銀行の減益見込みが業績の重しとなる。

東証1部の騰落数は、値上がり890銘柄に対し、値下がりが1120銘柄、変わらずが73銘柄だった。

 

日経平均<.N225>

終値      22717.23 -100.79

寄り付き    22730.12

安値/高値   22695.84─22796.14

 

TOPIX<.TOPX>

終値       1800.35 -4.80

寄り付き     1799.15

安値/高値    1798.58─1806.27

 

東証出来高(万株) 162672

東証売買代金(億円) 26028.29

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