「馬の背」解消、横浜駅工事はこれから本番だ 今後は周辺の魅力アップも課題に
待ち合わせ場所も確かに十分でない印象だ。代表的なのは、地下中央通路にある「赤い靴はいてた女の子像」や、横にあるガス灯が挙げられる。しかし、人の多い中央通路では見つけにくく、
また、場所の説明が難しく、目の前に雑然とした「横浜五番街」が広がっているため、横浜の外から来る人との待ち合わせにはこちらも向かない。そのため、デッキと共に改札口とゆったりした待ち合わせスペースが整備されれば役に立つだろう。
とはいえ、ひとまず「馬の背」は解消し、駅ビル建設も本格化することで横浜駅や周辺の再開発といったハード面は大きく前進していっている。今後も駅周辺の再開発で横浜駅や周辺施設の構造変化はしばらく続きそうだ。
横浜駅周辺を「魅力あるまち」にするには
むしろ、これから重要になるのは、もっと面的にまちにさまざまな空間を作り出し、魅力のあるまちづくりを志向するというソフトの面だ。「エキサイトよこはま22」計画では、まちの将来像として、『選ばれるまち』『魅了するまち』『誇りに思うまち』という指針が示されている。しかしこのためには課題が多いと思わざるをえない。
もともと横浜駅周辺地区は大型商業施設とビルにより発展し、なんでもそろう利便性が人を集めていたエリアだ。選ばれるような独自の魅力や面白さのあるまちとはタイプが違う。少しずつソフト面の取り組みが始まっているとはいえ、まちを歩けば人が多いばかりで文化施設やゆっくり休める場所も少ないと感じられるのが実情だ。JR東海道線沿線に住む人の中には、横浜は疲れるので1棟のショッピングモールになっている川崎のラゾーナに行くという人もいた。
さらに今後相鉄がJR・東急へ乗り入れることが計画されており、これによって人の流れが東京へと向かい、横浜駅周辺へ来訪する人が減ることが危惧されている。
こうした現状と実感から考えると、「エキサイトよこはま22」のようなハード面中心の計画だけではなく、「横浜駅周辺がいい」と思わせるゆとりのある、面白いまちになるような仕掛けをしていくことが求められる。そのためには箱を作るだけではなく、大型商業施設にありがちな店や空間とは違ったものを導入していく仕組みや雰囲気作づくりが重要になってくるのではないだろうか。
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