「馬の背」解消、横浜駅工事はこれから本番だ 今後は周辺の魅力アップも課題に

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さて、ここで不思議に思われるのは、横浜西口開発および横浜ステーションビル建設に大きな影響を与えた相鉄の存在がないことだ。

建設中の「(仮称)横浜駅西口開発ビル」。地下には相鉄ジョイナスと一体化した地下街が広がる(筆者撮影)

実は相鉄は2005年の事業持株会社化から2010年の純粋持株会社化まで「選択と集中」として、大胆な事業や資産の整理や子会社化を行っていた。その中で横浜ステーションビルも対象となったのだ。「2010年6月30日付で、相模鉄道が28%保有していた株式がJR東日本に譲渡された」(横浜ステーシヨンビル)という。結果的に横浜ステーシヨンビルの現在の株主構成は「JR東日本が85%、崎陽軒が9.6%、ルミネが5%、残りは自己株式」(同)となり、結果的にJR東日本の子会社となった。

こうした事業主体の集約により、ようやく横浜ステーションビルの再開発が行われる地盤が整ったのである。さらに2013年末には再開発のスピードを上げるため、東急電鉄は東横線の跡地を利用した駅前棟から鶴屋町棟をつなぐデッキ整備のみ行うこととなり、横浜駅西口駅ビルの建物建設はJR東日本に一本化されることになった。

大変貌する駅の北側

その後、JR東日本は2014年3月と昨年10月に「(仮称)横浜駅西口開発ビル」の計画変更を行う。まず線路上空棟の建設を取りやめ、駅前棟は地上26階建て地下3階建てとした。また、鶴屋町棟には駐車場だけでなく商業施設・ホテル・スポーツジムを入居させることになった。こうして現在の「(仮称)横浜駅西口開発ビル」の計画となり、2020年の開業に向けて工事を行っている。

横浜駅と周辺の主な施設や道路などの位置関係図(筆者作図。横浜市営地下鉄、東急東横線、みなとみらい線の横浜駅は作図の都合上省略した)

「(仮称)横浜駅西口開発ビル」が開業すると、鶴屋町まで駅ビルが広がっていくことになる。さらに隣接地には再開発組合が国家戦略特区制度を活用した44階建てのビルも建設されることになり、横浜駅北側は大きく姿を変える。

こうした2010年以降の横浜駅周辺再開発計画は横浜市の策定した「エキサイトよこはま22」計画に基づいている。では、「(仮称)横浜駅西口開発ビル」以外の今後の横浜駅および周辺はどう変わっていく予定なのだろうか。

すでに、基盤整備の基本方針やまちづくりガイドライン、エリアマネジメント型のまちづくりといった方向性は策定されているが、気になるのは線路上空デッキの検討・整備と東口の再開発想定だ。

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