YOUメッセージの場合、「あなたがこうしていてくれたら、私は困らなかったのに」、または「私は後ろめたい思いにならずに済んだのに」といった具合に、あなたのせいで、私はこんな気持ちを抱いてしまったと、相手を責めるような言い方になりかねないのです。
ですから言われたほうは、待っていたことを非難されているような気持ちになります。待たされた揚げ句、遅れてきた相手にさらにダメージを与えられるわけです。相手に対して不快感を抱いても仕方がないでしょう。
このように「あなた」を主語にすると、相手は責められている感じを強く持ちます。
「○○しなさい」という命令が、心情的に受け入れにくいのは、「あなたが○○しなさい」と言われることによって、追いつめられる気持ちになるからなのです。人は、「YOUメッセージ」で言われると、より自分を意識します。
「Iメッセージ」であれば受け止めやすい
たとえば、何かの係決めで「次の役員は、あなたがやってください」と言われるのと、「次の役員をあなたにやってもらいたいと思っています」と言われるのと、どちらが受け取りやすいでしょうか。前者はYOUメッセージで、後者はIメッセージです。
もちろん語調などの言い方も影響しますが、おそらく後者のほうが、心情的に受け取りやすいかと思います。ですから、何かを依頼するときに「(あなたが)やっておいて」ではなく「(私は)お願いしたい」と伝えると、相手はそのメッセージを受け取りやすくなります。
YOUメッセージを多用していないか、振り返ってみましょう。
2.相手を追いつめる「なぜ」
「なぜ○○しないの?」
問題解決志向の方や、アドバイスをする傾向の強い方は、「なぜ」というフレーズをよく使います。実は「なぜ」は、「デンジャラスクエスチョン」と呼ばれ、最も注意しなければならないタイプの投げかけです。
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