すべて私が見た限りですが、CNNに至っては取り扱いゼロ、相変わらずトランプの放言ばかりがニュースになっており、NBCだけがトップで触れたものの、ものの数分も立たないうちにあっという間にセクハラ問題の話題へ。新聞ではニューヨークタイムズだけがさすがにトップ一面で取り上げていましたが、内容は本当に通り一遍のもので、「総力特集ぶち抜き」……というものには程遠い内容でした。あとはもう推して知るべし……です。
つまり、多くのアメリカ国民にとってはこんな話はどうでもよく、それよりも国内で起きているセクハラ問題の波及や、相変わらず止まる気配のない「トランプ放言」の方が、はるかに話題性があるということです。
これを内向きというならそうかもしれませんが、この問題に関するアメリカ国民の関心の低さはなんともしようがありません。ドナルド・トランプ大統領は米朝首脳会談を「歴史的会談」として大いに盛り上げるでしょうが(バラク・オバマにはできなかったが、おれはやったぞ!みたいな話がツイッターで「てんこ盛り」になるでしょう)、果たしてアメリカ国内がどう受け止めるかは甚だ疑問だ、というしかないでしょう。
日本のメディアは「世界が注目」というような取り上げ方をするわけですが、少なくともアメリカのメディアを通してみるとそんなことはない、というのが実情で、米朝首脳会談がどんな受け止め方をされるのかは「現時点では全く未知数」と言った方がいいでしょう。
日韓の経済関係には影響しない
元より、日本においても拉致問題を除けば影響力は極めて少ないニュースだった、と言えます。ニュース価値と言えば先ほど申し上げたように「金正恩」が人前に出てきた、ということくらいで、まるでパンダが来た……ようなレベルの話です。
日韓両国の経済関係はもはや揺るぎようがなく、これだけもいろいろ揉めごとがあるように見えても、日本からは年間6兆円弱の輸出があり、日本が3兆円近い貿易黒字をあげている国である(ひとつの国の黒字額だけ見ればアメリカに次ぐ水準)という事実は揺るぎようがありません。
これは韓国にとってはさらに重要で、経済面から見れば日韓ともお互いになくてはならない関係なわけですから、まあ、どうにもなりようがない、という言い方はできるかもしれません。このあたりの切り口から取り上げる人があまりいないのには驚きです(注:貿易黒字額でいえば香港の方が韓国よりも多いが、ここは中国、香港、台湾の三角貿易が多数含まれており、独立国ではないために単独、とは考えない)。
その文脈で見るならば米朝首脳会談もあまり実効性がある内容にはなりようがなく、結局トランプがちゃぶ台をひっくり返すのかどうか、というような、どうでもよいことに注目が集まるのは致し方ない、ということになるでしょうか。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら