日本で働く外国人が苦労した言語じゃない壁 自分の主張を強くしてしまったらシーン…

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ショハルフベック:高校時代、ソニーのプレイステーションが大好きで、英語はできるけれど、アメリカやヨーロッパよりも、日本に行ったほうが将来的に魅力的じゃないかと思ったんです。日本語はまったく知らなかったんですけど、当時はTOEFLを受けて、学校の論文を書いて立命館アジア太平洋大学に入学できた。

日本語はほぼゼロで来たので、大学で1日だいたい5時間のレッスン。そのあと寮に帰ってまた5時間勉強。涙が出るくらい苦労して日本語を学んだので、ぜひプロとして何か経験したいと思った。

よく言う言葉ですけど、「懸け橋になりたい」という思いが強かったんですね。2010年に就職活動で20社くらい受けたんですが、最終的には、将来ウズベキスタンに帰ったときに何か持ち帰れるよう、ヤンマーに入社しました。

職場で使っているのは日本語?英語?

プラブネ:私の場合、日本が戦後たった20年でなぜそんなに復活できたのか驚いたことが1つのきっかけです。インドもイギリスから独立したけれど、あまりにも多様性がありすぎて意見がまとまらない。日本は一体感のある国ですから、早いペースで経済成長に至ったのかなと思います。そういう世界が見たかった。

――みなさん職場では日本語ばかりですか?

ショハルフベック:日本語8、英語が2。

日本に来てからしばらくは、新潟にある金型会社で働いていたというプラブネ氏(撮影:尾形文繁)

プラブネ:私は外資系なので社内は英語も多い。でも取引先の経営層にプレゼンするときは、高齢の方が多いのでカタカナを極力減らすようにしています。「デジタルトランスフォーメーション? 何それ?」という話になってしまうので。

ドンデリス:Sansanの場合は、会話は日本語、でもエンジニアですから、指示などは英語です。

――言語の壁で歯がゆい思いをしたことは。

プラブネ:言語の壁よりも文化の壁。日本の文化を理解したうえで発信しているかどうか。たぶんその努力がいちばん必要と思いますね。文化を理解していないと、日本語を話してもあまりピンとこない。

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