安倍首相の自民党総裁3選は本当にあるのか

6月21日以降、日本に「熱い夏」がやってくる

しかるに内政面では、長期政権のデメリットが噴出しつつある。昨年秋の解散・総選挙では与党が大勝し、「もりかけ」問題はリセットされたはずであった。ところが今年に入って新材料が続出。公文書改竄問題に財務省次官のセクハラ問題まで噴出し、国会は空転している。とうとうそのまま大型連休入りであるから、憲法改正の発議どころか、働き方改革法案の行方さえ覚束なくなってきた。

われわれは安倍政権を継続させるべきか?

なぜ、これほどまでに「政と官」の関係がおかしくなったのか。簡単な話で、日本政治は現在のような長期政権を想定していないのだ。なにしろ平成30年間には、のべ18もの内閣が誕生した。小泉政権の5年5カ月と第2次安倍政権以降の5年4カ月を除くと、後は1人平均1年強という短命さである。

原則2年で異動する官僚たちにとって、5年以上もの長期政権に仕えることは滅多にない事態である。これがあと3年続くかもしれないと考えた時点で、官邸に逆らえる者は誰も居なくなる。逆に官邸付きの官僚が威張り出し、「総理のご意向」を振りかざすようになる。これでは過剰な忖度が働くのも無理はない。「2014年に設置された内閣人事局が諸悪の根源」、などという指摘は、冤罪もいいところであろう。

さて、ここで問題である。われわれは外交のメリットを優先して安倍政権を継続させるべきなのか、それとも内政面のデメリットを考慮して、そろそろお引き取り願うべきなのか。この連載は3人の輪番で成り立っているが、4月21日付の当欄で、山崎元さんがいみじくも「右の人が3割、左の人が2割。残り5割の『中の人』がどちらに傾くかで決まる」と評したのは卓見というべきだろう。

それではこの先の日本政治はどう展開するのか。通常国会は会期通り、6月20日に閉会するだろう。そしてその日まで、与党は熱心に安倍政権を支えようとするだろう。逆に言えば、その日を過ぎた瞬間に、9月の自民党総裁選挙を見据えた動きが始まるはずだ。

自民党総裁としての安倍晋三氏の任期が切れるのは9月30日。過去のパターンからいって、9月11日公示、9月23日投開票という日程が濃厚だ。投票日までは約3カ月。平成最後となる今年の夏は、永田町的には非常に熱いものになりそうだ。

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