コンビニは飽和している、無理な新規出店はしない--新浪剛史・ローソン社長

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コンビニは飽和している、無理な新規出店はしない--新浪剛史・ローソン社長

年初の減益計画から一転、通期予想を増益に上方修正した。業績好調の要因は。

上期の既存店売り上げは、前年比で5・4%増加した。タスポの影響が4%と大きいが、米飯やファストフードも伸びている。新業態の「ナチュラルローソン」や、生鮮コンビニ「ローソンストア100」の好調も後押しした。

ただし出店は抑えている。上期は純増27店にとどめたことで、新店の1日当たり売り上げは54万2000円(前上期実績は約45万円)まで上昇した。タスポ効果を除いても上場以来の最高額だ。

業績を押し上げた「タスポ効果」はいつまで続きそうか。

たばこは九州や中国・四国地方で、相変わらず売り上げを伸ばしている。ただ来期には反動も予想される。地域に合わせて冷凍品などを強化し、100円均一のPB商品「バリューライン」も増やしていく。タスポ効果が切れる来年7月あたりには、新しい発注システムを導入して商品の機会ロスや廃棄ロスを減らすなど対策も考えている。

生鮮コンビニ「九九プラス」を8月に子会社化した。今後の事業計画は。

将来的に、九九プラスとローソンストア100(を運営するバリューローソン)は統合するのが自然の成り行きだ。今下期から九九プラスの「SHOP99」は、ローソンストア100へと転換を加速している。すでに転換した店舗では、ローソンのブランド力で数%~2ケタ程度も売り上げが伸びている。また、直営店のFC化も進めて収益力を高める。本部に支払うロイヤルティを低く設定するなど、加盟店の利益につながる契約を既存のローソンのオーナーを中心に提案する。

競合は都市圏中心に出店意欲が旺盛。ローソンの方針は。

僕が社長に就任したときはとにかく出店ばかりで、FC店より高コストの直営店が700店(現在427店)もあった。そこで6年間かけて出店基準を絞り込んできた。昔のように無理な出店はしないし、純増数も少なくていい。間違いなくコンビニは飽和しているんだから。

今後、国内はより一層不況に向かっていく。こうした経済状況では、新規出店より既存店をどう生かしていくかが重要だ。新発注システム導入前には加盟店スタッフに研修してもらうほか、新しい仕組みを作って加盟店の人件費や光熱費削減に取り組んでいく。こうした経費の投資を優先する方針だ。

首都圏中心に展開するam/pmを買収する可能性は。

都心部で好立地の店舗を持っているが、何も決まっていない。am/pmさんに限らず、これからも再編の動きは出てくると思っている。

(田邉佳介 =週刊東洋経済)

にいなみ・たけし
1959年生まれ。81年三菱商事入社。91年米ハーバード大学MBA取得。95年に給食のソデッソジャパン代表取締役などを経て、2002年ローソン社長就任。

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