核実験凍結声明ににじむ北朝鮮の「真意」

重大問題については触れていない

朝鮮労働党の中央委員会総会で、北朝鮮はICBMの開発を減速する可能性など一連の声明を発表した(写真:KCNA/via Reuters)

北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は、朝鮮労働党の中央委員会総会で一連の声明を発表し、核兵器と大陸間弾道ミサイル(ICBM)の開発を減速する可能性があると示唆した。声明では非核化に関する確固たる決意は示されていないが、何らかの軍備管理条約に向けた前向きな動きに発展する可能性がある。

しかし、重大問題のいくつかについては、声明では触れられないままとなっている。

核兵器の開発は「完了」している

金正恩氏は、核実験とICBMの発射を中止することに加えて、「北部にある核実験場」の廃棄を表明した。また、他国から威嚇されない限り、核兵器を使用したり、第三国に核技術を移転したりすることはないと述べた。

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その一方で、非核化や人工衛星の打ち上げ、韓国、日本、中国、ロシアを射程に収める中・短距離弾道ミサイルについては、何ら実質的な論点は示されていない。今後、立て続けに行われる南北首脳会談と米朝首脳会談で争点となる可能性がある。

外交面から考えれば、金正恩氏は韓国と米国との首脳会談に向けて機先を制する目的で総会を利用したと考えられる。

核兵器の開発は完了しており、追加実験を行わなくとも、核兵器は北朝鮮の中心的な防衛手段となった。このような立場を強く打ち出すことで、核兵器について交渉する際に、他国が北朝鮮に対して差し出さねばならない外交的対価を引き上げようとしているのだ。

軍備管理など核兵器に関する譲歩を北朝鮮から引き出すのに必要な“値段”をつり上げ、支払い不可能なほど高額なものとするべく総会を活用したのである。

総会で採択された決定書には、2017年11月にICBM「火星15」の発射実験に成功して以来、北朝鮮が言い続けてきたことが明確に示されている。それは、核兵器の開発が完了し、北朝鮮は核保有国となったため、地域情勢の緊張緩和が可能になった、というものだ。

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