全米騒然!元FBI長官渾身の「暴露本」の中身

トランプと闘った男が言いたいこと

コミーは2度目となった今回もまた実質的に、法の名において立ち止まれ、と言って大統領に立ち向かっている。彼は正しい。日に何度も欺き、面白半分にうそをつき、国民にそのうそを信じることを要求する指導者にこの国は耐えられない。

バラク・オバマ前大統領のFBI長官として、前任者であるロバート・S・ミューラーが勤めた12年間を踏まえ、コミーは(FBI初代長官である)ジョン・エドガー・フーヴァーの“遺産”である局を一掃するよう務めた。

「恐怖で支配しようとするな」

コミーは「フーヴァーはFBIを鉄の手で動かし、政治指導者たちを心底怖がらせた。多くの政治家たちに関する “個人ファイル”を持っており、政治家たちはそれを知っていました。彼は大統領や知事と食事や酒をする一方、好きな時に連邦捜査を使わせ、そして FBIを使って彼らを怖がらせた」と数行で描写している。

フーヴァーと同じくコミーは米国への脅威に気づいているが、それはオレンジ色であり赤信号ではない。コミーの著書には、未来のFBI長官にとって有益であるかもしれない、苦労して手に入れた知恵が散りばめられている。

恐怖で支配しようとするな。脅しを使って間違ったことをさせようとする上役に立ち向かえ。覚書を書いておけ、たくさんの。特にホワイトハウスを事件現場として黄色いテープで封鎖する必要があるかもしれないと思うときに。米国大統領と2人きりで食事は絶対にするな (どうしてもそれが必要なときには、ものすごく長いスプーンを持参しろ)――。

コミーは善悪の基本原則を、われわれに思い出させようとしている。神様、彼をお助けください。彼は、もし「基本的事実の真意が問われ、根本的真実が疑問視され、うそが通常化し、非倫理的な行動が無視され、実行され、報酬を受けている」のであれば、われわれは共和国として長く持ちこたえることはできないと書いている。これは今日までのトランプ政権の正当な描写であるように聞こえる。

差し当たり、この泥沼からはい出る唯一の方法は、FBIと特別検察官であるロバート・ミューラーの働きに大きく左右される。コミーはトランプに対する法廷での重要証人となるだろう。この本は彼の証言の予告編としての機能を果たしており、真実の不快なにおいを漂わせている。

(文:ティム・ワイナー)

筆者のティム・ワイナー氏は、米国の諜報機関について複数の著書を執筆しており、ピューリッツアー賞や全米図書賞などを受賞している。このコラムは同氏の個人的な見解に基づいている。
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