南北会談の焦点は「非核化」より「終戦宣言」だ

ネット検索のトップに「終戦」が急浮上

つまり、南北の首脳間で朝鮮戦争の終結、もしくは相互の敵対行為の中止を申し合わせ、将来的に朝鮮戦争を終わらせるため平和協定を結ぶというロードマップを考えているのだ。

27日の首脳会談後に発表される合意文に、この考え方が盛り込まれる可能性が高い。

北朝鮮の非核化については各国間で隔たり

もう1つの議題である「北朝鮮の非核化」については、関係国の間で手法や期間について姿勢が大きく違う。米朝首脳会談で最終調整すべき問題でもあり、南北間では原則的な合意にとどまりそうだ。

しかし、朝鮮戦争の「終結宣言」が南北間の合意に盛り込まれれば、「非核化」に比べ、意外に早く進展する可能性があると筆者は考える。今回は米国、中国も乗り気だからだ。

朝鮮戦争の当事者は、あくまで米、中、北朝鮮。過去には、南北首脳間でも話されている。2007年の南北首脳会談では、当時の盧武鉉・韓国大統領と金正日・北朝鮮総書記が共同宣言で平和協定を目指し、3者ないし4者で協議することで合意した。

3者協議については南北朝鮮と米国、4者協議については、それに中国を加えた枠組みと考えられていた。しかし保守系の李明博大統領が就任したこともあり、この論議は立ち消えになっている。

米国が乗り気と言っても、ドナルド・トランプ米大統領の個人的考えかもしれない。17日(現地時間)、安倍晋三首相との日米首脳会談の冒頭での発言で、「韓国は戦争を終わらせることができるかを探るために北朝鮮との会談を計画している。終戦について議論することに賛同している」と協力する姿勢を示している。

終戦宣言については、中国外務省も「早期の戦争状態の終結を支持する」(19日の会見)と歓迎する意向を表明している。

条件は整っている。金正恩委員長が、終戦宣言に合意すれば、中国を含む「4者」が集まり、協議を始める可能性も出てくるだろう。

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