新燃費基準WLTCを知らない人に教えたい基本 18年10月以降導入、実燃費との差は埋まるか
30km/L(ガソリンなど燃料1リットル当たりの走行距離)を超えるような低燃費を大々的に打ち出しているのに、「買って乗ってみると実際はそれとは程遠い燃費だった」という経験を持っている自動車ユーザーは少なくないだろう。以前からずっと指摘されているが、自動車メーカーの市販車カタログに掲載される数値は、実燃費とは乖離があるケースが多い。
燃費測定基準がJC08モードからWLTCへ
そんな自動車のカタログ燃費に新基準が採用される。今年10月以降に国内で発売される新車から義務づけられるWLTCだ。
WLTCとは、国際的なモード燃費の測定方法であり、Worldwide-harmonized Light vehicles Test Cycleの頭文字をとっている。意訳すれば、世界的に調整した乗用車の試験方法とでも言えばいいだろうか。
従来のJC08モードの燃費数値は1つだけだったが、WLTCは、以下の4つの数字を表示する。
・市街地モード:信号や渋滞等の影響を受ける比較的低速な走行を想定する
・郊外モード:信号や渋滞等の影響をあまり受けない走行を想定する
・高速道路モード:高速道路での走行を想定する
今年10月以降も当面はJC08モードを併記するが、2020年9月以降はWLTCのみの審査結果の表示となる。
先駆けてWLTCの数値をカタログに表示しているのがマツダだ。昨2017年6月に、コンパクトSUV「CX-3」のガソリンエンジン車でWLTCを先取りし、認可を取得して燃費表示に加えている。前輪駆動(FF)モデルの場合、それぞれの数値は以下だ。
WLTCモード:16.0km/L
市街地モード:12.2km/L
郊外モード:16.8km/L
高速道路モード:18.0km/L
高速道路モードでの数値以外は、JC08モードに比べ燃費性能が低く評価されたことになる。これは、JC08モードとWLTCとで、燃費計測の際の条件が異なるためである。
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