40歳超の転職に失敗する人と成功する人の差 条件にこだわりすぎると痛い目を見る

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

このワナにはまらないためにも、事前の転職マーケットの調査が不可欠なのです。Bさんは、事前に転職マーケットをある程度調べたことで、現在と同じ年収をもらうことはほぼ無理だろうとわかっていました。3分の2、下手をしたら半分になることも覚悟していたかもしれません。こうした転職マーケットの情報や知識を早期に学んでいたからこそ、早い時期から業界にも、職種にも、企業規模にも、こだわらずに話を聞きに行ったり、面談に行ったりできたのだと思います。

表面的な条件にこだわりすぎるな

では、Bさんにはこだわりは1つもなかったのでしょうか。そうではありません。きちんと、こだわるべきポイントにはこだわって、転職活動を行っていました。それが、「自分が必要とされる場所はどこか」「自分が活躍できる場所はどこか」といったことです。

『40歳からの「転職格差」 まだ間に合う人、もう手遅れな人』 (PHPビジネス新書)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

Bさんは、エリアや業界、職種、役職、年収といった表面的なレイヤーでのこだわりは捨て、1つ上のレイヤーと言えるかもしれませんが、別のもう少し抽象的なレイヤーでこだわったのです。表層的な条件にこだわるのか、仕事の中身や自分のやりたいことにこだわるのか、と言い換えてもいいかもしれません。

転職がうまくいかない人は、「自宅から1時間以内」というエリア条件や、「年収は最低でも800万円以上」という収入条件、「役職は課長以上」というポジション条件などに、「今、このタイミングでこの条件が満たされないと対象外」というくらい、厳格にこだわる傾向があります。

せっかく転職の決意をして新天地を探すのですから、こだわりをもったり希望条件を掲げたりするのは当然のことです。しかし、あまりにもさまざまな条件にこだわり続けることで、本来生き生きと活躍できたであろう会社・職場に転職する機会を逃してしまうリスクも多々あります。どういった点にこだわり、どういった点についてはこだわりなく転職活動を行うべきなのか――その判断が「ミドル転職」では大切になるでしょう。

黒田 真行 ルーセントドアーズ代表、ミドル世代専門転職コンサルタント

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

くろだ まさゆき / Masayuki Kuroda

1965年生まれ。1989年、関西大学法学部卒業後、株式会社リクルートに入社。B-ing、とらばーゆ、フロム・エーの関西版編集長などを経て、2006年から8年間、転職サイト、リクナビNEXTの編集長を務める。1万2000人を超える転職者・経営者・人事責任者への取材経験から、転職活動の具体的ノウハウや心理的支援、日本の中途採用市場、マッチングの構造に精通する。2014年9月、中途採用市場の積年の課題であった「ミドル世代の適正なマッチング」を目指し、ルーセントドアーズ株式会社を設立、代表取締役に就任。35 歳以上に特化した転職支援サービス「Career Release 40」(キャリアリリース40)を運営している。著書に、『転職に向いている人 転職してはいけない人』がある。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事